ホットソープ法を用いた電極活物質ナノ粒子の形態制御と全固体電池の高性能化
Project/Area Number |
11J09752
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Research Fellow |
麻生 圭吾 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 全固体リチウム二次電池 / 電極-固体電質界面 / 前駆体溶液 / 液相合成 / ホットソープ法 / 電極-固体電解質界面 / 形態制御 / 結晶相制御 / 固体-固体界面 |
Research Abstract |
全固体リチウムニ次電池は、安全性の高い電池として研究開発が盛んに行われており、電気自動車などの大型電源への応用が期待されている。全固体電池の電極部分は、電極活物質、固体電解質、導電助剤の3者の混合物(以降、電極複合体)を用いており、これらの固体界面で電気化学反応が進行する。このことから、全固体電池の高性能化を実現させるためには、電極複合体内の電極活物質−固体電解質間の接触界面を増大させることが有効である。我々は、理想的な固体界面形成のためのファーストステップとして、溶液状態を経由して固体電解質を作製することに着目した。 そこで本年度は、Li_2S粉末、P_2S_5粉末およびN-メチルホルムアミド(NMF)を用いて硫化物固体電解質の前駆体溶液を作製し、その溶液から硫化物系固体電解質を析出させた。また、作製した前駆体溶液を用いて、良好な固体界面を有する電極複合体を作製し、全固体電池に応用した。 Li_2SとP_2S_5を乳鉢混合した粉末にNMFを直接混合したところ発熱を伴ったことから、Li_2SとP_2S_5をヘキサンに加え、氷浴中で撹拌しながらNMFと混合した。MMF添加から6時間後、NMF相は黄色透明となり、ヘキサン除去後の前駆体溶液のラマンスペクトルは、Li_2S-P_2S_5ガラスをNMFに溶解させた溶液と同じスペクトルになった。得られた溶液を180℃で減圧留去することで得られた粉末は、Li_3PS_4結晶であることがわかり、そのイオン伝導度は2.3×10^<-6>Scm^<-1>であった。この前駆体溶液をLicoO_2電極活物質粒子と混合し、溶媒を留去することによって、LiCoO_2粒子表面にLi_3PS_4固体電解質薄膜を形成した。硫化物固体電解質をコートしたLiCoO_2を作用極に用いた全固体In/LiCoO_2セルを作製した。硫化物固体電解質薄膜で表面をコーティングすることによって、全固体電池は二次電池として作動し、コーティング層がリチウムイオン伝導パスとして機能していることが明らかになった。以上の結果は、論文(3報)と学会(国内1件)で既に発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では全固体電池の高性能化を目指して、電極活物質-固体電解質界面の構築を行っている。平成25年度は、Li_2S粉末、P_2S_5粉末およびNメチルホルムアミド(NMF)を用いて硫化物固体電解質の前駆体溶液を作製することに成功し、この前駆体溶液が全固体電池用材料に応用可能であることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で得られた硫化物固体電解質の前駆体溶液を180℃で減圧留去することで得られた粉末は、Li_3PS_4結晶であることがわかり、そのイオン伝導度は2.3×10^<-6>Scm^<-1>であった。全固体電池の高性能化を見据えると、イオン伝導度の向上が必要不可欠である。そこで今後は、組成や溶媒の種類、溶解・乾燥方法が、析出してくる結晶相に与える影響について詳しく検討を行い、よりリチウムイオン伝導性の高い固体電解質を得ることを目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)