Project/Area Number |
11J09967
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
森川 響二朗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 流動電位法 / 拡張ナノ空間 / 溶液化学 / 電気二重層 / ナノ流体工学 |
Research Abstract |
溶液中の帯電した表面近傍の特異的なイオン挙動は分離や検出、輸送などに利用されてきたが、そのメカニズムの詳細は未解明のままであり、電気二重層に代表されるように古くから様々なモデルが提唱されできた。近年、電気二重層と同等の空間である拡張ナノ空間(10-1000nm)の溶液物性研究が進むにつれ、その特異的な溶液物性は従来のモデルでは説明できないような挙動を示すなど注目を集めている。北森研究室では世界に先駆けて同空間の研究を進めており、プロトン交換速度が拡張ナノ空間で著しく上昇するという結果に基づき、表面から約50nmにわたって水分子の緩やかなネットワークを介してプロトン交換を行うプロトン移動相の概念を提唱している。このように特異的な物性を有する拡張ナノ空間の水を圧力駆動流によってイオンの流れを発生させて電気信号として検出し、その化学特性を評価することを目的とした。 50nmから2500nmの領域で様々な空間サイズの拡張ナノ空間を有する拡張ナノチャネルを作製し、それぞれのチャネルにおける流動電流の測定により、拡張ナノ空間のプロトン濃度とガラス表面のシラノール基の等電点の評価が可能になった。また、発生する流動電位・流動電流を電源、拡張ナノチャネル内の溶液を誘電体とした電気回路に見立てるという概念を適用することにより、拡張ナノ空間の水の誘電率と導電率の測定に成功した。これらの結果より、これまで分子論的な知見のみ得られていたプロトン移動相モデルに対し、拡張ナノ空間のプロトンが濃度、解離定数、誘電率、導電率という溶液化学の特性として発現することを実証した。これらの溶液化学の物性値は従来の電気二重層モデルにおいても重要なパラメータであり、拡張ナノ空間で溶液を扱う際の基本的な物性値である。 本研究で得られた溶液化学としての知見がナノ流体工学の分野における分離、検出、輸送などの工学に大きく寄与することが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)