重度身体障害者の安定した在宅生活構築のために--独居難病者への支援活動を通して
Project/Area Number |
11J09981
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social welfare and social work studies
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Research Fellow |
長谷川 唯 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 自立生活 / ALS(筋萎縮性側索硬化症) / 障害学 / 障害者運動 / 社会モデル / 制度 / 難病 / 障害 / 重度障害者 / 地域生活 |
Research Abstract |
これまで医療的ケアを要する障害者が家族に頼らずに地域生活を営むために必要な支援内容を明らかにすることを目的に研究に取り組んできた。そこでは、家族の支援がない一人暮らしのALS(筋萎縮性側索硬化症)の人を支援しながら、その過程と生活を詳細に記録・分析し、制度的課題と従来の自立生活運動における「自立生活」の概念との異なりを明らかにした。 自立生活運動は、一部の障害者に対する恩恵としての自立生活から、必要な支援は社会から得て人の手を借りながら生活するという障害を持つ全ての人の権利としての自立生活へと変換させる運動である。そして、そこで導き出された「自立」の概念をもって、医学モデルから社会モデルへと「自立生活」の理念の変革を進めてきた。だが、そうした自立生活運動の議論から、ALSなどの進行性難病者は外れたところに位置し、理論の枠内にも含みがたい存在となっている。 従来の自立生活概念にあてはめられてしまうことで生じる生きにくさの問題は、社会モデルでも個人モデルでも、十分に論じえることができなかった。本研究の意義は、生きにくさをその人の個人の問題として扱うのではなく、また生きにくさを解消する術を教えることで解決を図ることでもなく、生きにくさの背景にある社会関係を浮き彫りにし、社会の規範を問い直すことである。これは、障害学における議論に新たな視座を与える点で、学術的にも意義がある。また、障害を抱える個人の生活や実態に見合った政策・制度への改善につなげる作業としても重要である。 障害の程度や種別、特性にかかわりなく、多様な生活を踏まえた自立生活の形を模索することを目的に、障害者の生活や運動の現場、国内外の政策会議に出向き、障害者の運動の連帯やその政策過程の調査を行ない、同時に得られた成果を、学会や学術誌でポスターや論文として発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)