倍変化検出型の適応的応答ダイナミクスとその分子機構の解析
Project/Area Number |
11J10097
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioinformatics/Life informatics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
神野 圭太 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 適応 / 細胞間シグナリング / パターン形成 / FRET |
Research Abstract |
細胞性粘菌は、細胞外cAMPの変化に対して適応的にcAMPを合成・分泌する(cAMP応答)ことが知られている。私は、このcAMP応答が、細胞外cAMPの変化の比によってその振幅が決定されること、すなわち倍変化検出型の応答であることを発見し、その適応的意義及び分子機構の解明を目指して研究を行ってきた。平成24年度における研究の主な成果は次の様なものである。 1.cAMP応答の倍変化検出性の分子機構に関して新たな知見を得た。 cAMP応答の倍変化検出性の分子メカニズムを探るべく、cAMP合成酵素であるアデニル酸シクラーゼの上流にある、フォスファチジルイノシトール3リン酸(PIP3)に着目し、その合成量が、細胞外cAMPの刺激に対しどのように応答するかを調べた。その結果、PIP3においても倍変化検出型の応答が観察されることが分かった。この結果は、細胞内cAMPの倍変化検出型の応答が、より上流のPIP3の合成量によって制御されていることを強く示唆している。 2.cAMP応答の適応的意義を数理的に議論し、その理論の検証を行った。 昨年度までに、倍変化検出型の応答が、細胞密度に依存しない細胞間シグナリングに寄与し得ることを、数理モデルを用いて示した。本年度は、このモデルの帰結を実験的に検証し、その妥当性を示した。 3.倍変化検出型応答の機能の一般性を数理的に議論した。 細胞間シグナリングの様式が、細胞性粘菌と異なる状況を数理的に表現し、事例研究を網羅的に行った。 その結果、倍変化検出型の応答さえ仮定すれば、かなり一般的な状況においても、細胞密度依存性が無くなる、あるいは低減することが分かった。すなわち、倍変化検出型の応答と細胞密度に依存しない細胞間シグナリングの関係が普遍的なものであることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)