情報技術時代の主体と他者-技術と人間の相互作用に関するネオサイバネティクス的研究
Project/Area Number |
11J10104
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
原島 大輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 情報技術 / 主体性 / 他者性 / ネオサイバネティクス / 実在 / 閉鎖即開放 / ネットワーク / メディア・アート / 主体性=主観性 / コンピュータ / プログラミング / 音楽 / システム理論 / オートポイエーシス / パフォーマンス / ライヴ / コンピュータ音楽 / ラップトップ・パフォーマンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、20世紀後半以来の情報技術時代における主体性(=主観性=従属性)の生産と他者性の構築について、一つの理解の枠組みを提示することであった。当該年度は、前年度以来の課題とともに、当初の研究実施計画の通りに本研究の成果を論文等のかたちで発表することを目指した。当該年度には、まず、ネオサイバネティクスの諸先行研究において実在がどのような論理で概念化されているかを整理し、その論理が明らかにする諸問題を指摘した。すなわち、生命的システムの主観性にとって実在とは、当該システムの存立の可能性の条件でありながら当該システムにとっては普段は観察不可能な盲点として潜在化しており、当該システムの作動の失敗の事故的で事後的な経験を通じてのみはじめて観察されうる拘束である、という論理である。この論理が明らかにするのは、自律的なシステムの生命性の条件として他律性が含まれているため、制御の徹底化は生命性を保全するどころか生命性を損なうということである。システムの自律性と他律性(ないし閉鎖性と開放性、あるいは自由と拘束)の両義性は、一見すると矛盾しているが、ネオサイバネティクスの諸システム・モデルでは、相互浸透モデルやHACSモデルなどで整合的に説明されている。本研究はそれらをふまえつつ、システムの自律と他律の両義性を閉鎖即開放とよび、情報技術環境におけるシステムが主体性を生産するにあたって、この閉鎖即開放を受け入れることの重要性を主張した。というのも、現行の情報技術環境ネットワークは、技術と人間の相互依存的で生態学的な関係性に向かって進化しているように思われるが、ネットワーク文化においてはしばしば、閉鎖と開放の両義性をともに追求するというよりは、いずれか一方を追求する場面も多く、そのためにシステムはその生命性の条件を見失いがちだからである。また、そのような閉鎖と開放を媒介する作法としてのメディア・アートの解釈も提案した。これらは当該年度中には学会発表や雑誌論文として発表された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)