ファンによる冷却を行う高密度実装電子機器の簡易高精度熱設計手法に関する研究
Project/Area Number |
11J10167
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Research Fellow |
福江 高志 富山県立大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 電子機器冷却 / 熱設計 / 高密度実装 / 軸流ファン / 旋回流 / ハブ形状 / P-Q曲線 / ファン近傍圧力損失 / 熱流体抵抗網法 |
Research Abstract |
本研究は、ファンにより冷却を行う高密度実装電子機器の部品温度を、高い精度でかつ低い計算負荷で予測を行うことのできる方法の確立を目的として遂行した。 平成24年度は、特にファン空冷設計の信頼性を維持しつつ設計を効率化するための下記の課題について成果を得ることができた。まず、昨年度に続き、電子機器に実装したファンの性能低下を回避するための設計指針を、直径40mmの軸流ファンについて明らかにした。特に2種類の異なる形状を持つ軸流ファンで検証を行った。ファンを問わず、ファン上流側に部品が実装されるとファン性能そのものが低下するケースがあり、性能低下の度合はファンのハブ形状やケーシング形状によっても左右される可能性があることがわかった。しかし本研究で検証した40mmファンについては、一般的にはファンハブ前方が十分開口していれば性能低下は最小限に抑えられ、さらにファンと部品の距離を20mm以上離せば、ファンの性能低下を考慮しなくてよいことがわかった。またファン性能曲線(P-Q曲線)を適切に熱設計において応用する方法について検証を行い、ファン性能の最適な取り込み方が対象とする熱設計手法や熱流体解析法により異なることがわかった。各手法において適切な取り込み方を提案するために、現在検証を続けている。さらにファンにより生成される流れの旋回が冷却性能に与える影響について追加の結果が得られ、これまでの研究の範囲内では、これらの影響は冷却性能を向上させる方向に働き、電子機器の熱設計に悪影響を与えることはないとわかった。 以上から、一般性の高い簡易高精度熱設計手法の提案に向けては一部課題が残っているが、これまでの成果から、特に高密度実装の深刻な小型電子機器のファン空冷設計を行う際に、設計の信頼性を確保しながら設計効率化を達成するための一連の設計指針を獲得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、高密度実装電子機器においてファンの性能低下を回避するための明確な部品実装指針は確立されていなかった。今回明瞭な指針を獲得できたことは、強制空冷電子機器の設計効率化へ向けた大きな成果であり、本研究の目指す熱設計の効率化への貢献が期待できる。昨年度の結果と合わせ、高密度実装電子機器の簡易高精度熱設計のための一連の成果を得ることができたことから、おおむね順調に研究成果を得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目指した「ファン空冷電子機器の簡易高精度熱設計手法」の開発に向け最重要であった課題(ファン性能の低下に関する議論、手法の幹となる熱流体抵抗網解析の高密度実装機器への適用可能性の検討)は十分な成果を得ることができた。今年度の成果の一部は、まだ論文での公表を行っていないため、作業を急ぎたい。今後の課題は、手法の一般化に向けた機器内部の熱流体現象のデータベースの確立が必須である。電子機器内部の熱流体現象は様々な因子に影響されるため、従来の経験値からは正確な予測が困難である。継続してデータの取得を行い、統計的な手法も取り入れ、汎用性の高いデータベースの獲得を目指したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Flow and Heat Transfer around Finned-Heat Sink in Electronic Enclosure with Axial Cooling Fan2012
Author(s)
Fukue, T., Hatakeyama, T., Ishizuka, M., Nakagawa, S., Koizumi, K., Funawatashi, Y.
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Journal Title
Visualization of Mechanical Processes
Volume: (Accepted)
Related Report
Peer Reviewed
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[Journal Article] Flow and Heat Transfer around Finned-Heat Sink in Electronic Enclosure with Axial Cooling Fan2011
Author(s)
Fukue, T., Hatakeyama, T., Ishizuka, M., Nakagawa, S., Koizumi, K., Funawatashi, Y.
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Journal Title
Proceedings of the 11th Asian Symposium on Visualization
Related Report
Peer Reviewed
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[Presentation] Flow and Heat Transfer around Finned-Heat Sink in Electronic Enclosure with Axial Cooling Fan2011
Author(s)
Fukue, T., Hatakeyama, T., Ishizuka, M., Nakagawa, S., Koizumi, K., Funawatashi, Y.
Organizer
The 11th Asian Symposium on Visualization
Place of Presentation
朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
Year and Date
2011-06-06
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