Project/Area Number |
11J10270
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
朴 嵩哲 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 他者理解 / 自己理解 / メタ認知 / メタ表象 / 理論節 / モニタリングメカニズム・モデル |
Research Abstract |
24年度は他者理解と自己理解との関係を明らかにすることを目的として研究を行った。報告者は、他者理解能力は自己理解能力に先行しており、したがって自己理解と他者理解には本質的な違いが存在しないという仮説を支持し、それと対立する諸仮説にたいして反論を試みてきた。 23年度の研究ではニコルズとスティッチのモニタリングメカニズムモデルに対する批判を試みたが、それは次のような根拠に基づいていた。すなわち、彼らがモニタリングメカニズムモデルが正しい証拠として挙げている実験は外界についての一階の信念や欲求等で説明がつく実験であり、誤信念課題をはじめとする他者理解課題で要求される二階の表象能力(メタ表象能力)を持ち出す必要はないのである。 24年度の研究では、上と同様の批判をさらに別の実験群に対して行った。すなわち"feeling of uncertainty"などのメタ認知課題は、一見するとメタ表象能力を要求するように見えるが、すべて一階の能力で解決可能な課題であり被験者のメタ表象能力を要求するものではないと論じた。 以上のような実験解釈上の問題に関連するより根本的な問題についても検討を行った。以上の実験解釈についての批判では、どんな課題ならばメタ表象能力の有無を確認できるのかを明らかにしていたわけではなかった。もちろんそれができるならば批判の明確さも増すのだが、そもそもメタ表象の課題として典型的と見なされている誤信念課題でさえ被験者が持つ課題中の登場人物の行動に関する信念によって説明が可能であることからも、メタ表象能力と一階の能力との具体的な違いが明らかではないことに気が付く。この点について、少なくとも上述のようなメタ認知課題においてはメタ表象能力による説明と一階の能力による説明の違いを原理的に出せないのではないかと論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究目的に沿って、理念的には当然異なるものとされているメタ表象能力と一階の表象能力を実験的に差異化することの困難を指摘できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果を論文として発表していないので、今年度中に学術誌に投稿できるよう準備を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)