アレルギー関連遺伝子発現制御機構に関する構造生物学的、遺伝生化学的研究
Project/Area Number |
11J10301
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Juntendo University |
Research Fellow |
吉田 彩子 順天堂大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | GATA-1 / PU.1 / IgE受容体 / アレルギー疾患 / 遺伝子発現制御 / 一塩基多型 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
現代社会において多くの人を悩ませているアレルギー疾患治療には、IgE受容体を介したマスト細胞活性化キナーゼカスケードによる細胞の脱顆粒や遺伝子発現に至る経路を遮断することが有効であると考えられている。本研究ではこのIgE受容体の遺伝子発見機構に着目し、その複数の転写制御因子による制御機構を構造生物学的、遺伝生化学的に明らかにすることを目的としている。これまでにIgE受容体αサブユニット遺伝子は、2つのプロモーター領域を持ち、GATA-1やPU.1をはじめとする様々な転写因子が結合することで正と負の制御を受けることが知られている。そこで、これらの転写因子とIgE受容体αサブユニットのプロモーターDNAとの複合体の結晶構造を決定することで転写調節機構を明らかにすることを目指している。本年度は、ヒト由来のGATA-1やPU.1、さらにこれらと相互作用し、IgE受容体αサブユニットの遺伝子発現制御に関わると予想されるIRF8の組換えタンパク質の取得を目指して実験を行った。 大腸菌を宿主として様々な条件でそれぞれのタンパク質の異種発現を試みた所、pColdベクターを用いた系で可溶性の発見が確認された。今後精製条件を検討し、結晶化条件の探索を試みる。 また、IgE受容体αサブユニット遺伝子のプロモーター上のGATA-1結合部位には一塩基多型(SNP)が存在しており、GATA-1が持つ2つのZn-fingerドメインがSNPによって生じる2か所の結合部位に強固に結合し、αサブユニットの発現を調節していることが示唆されている。この仕組みを構造生物学的に明らかにするため、GATA-1のZn-fingerドメインの異種発現系を構築し、すでに発現の確認ができている。今後、合成DNAを用いてZn-fingerドメインとの結合の強さをITC(isothermal calorimeter)を用いて評価することや、DNAとの複合体の結晶構造解析を進めていき、SNPによるIgE受容体αサブユニット遺伝子発現機構を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GATA-1やPU.1などの結晶構造解析に向け、まず異種発現系の構築を試みたが、これらのタンパク質を可溶化させるのが困難であった。しかし、最終的にこれらの可溶化に成功し、今後の結晶化に向けての準備ができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
GATA-1やPU.1の結晶構造決定に向け、様々な添加剤などを使用して安定に精製できる条件を探索し、結晶化条件のスクリーニングを行う。また、結晶構造解析が困難な場合も想定し、転写因子の部位特異的変異体を作製し、変異型転写因子-DNA間の相互作用をITCなどを用いて評価し、細胞における転写活性に与える影響をレポーターアッセイや定量的PCRなどを用いて解析することで、各転写因子の構造-機能相関を明らかにしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)