ケミカルバイオロジーを用いたγセクレターゼモジュレーターの分子機構に関する解析
Project/Area Number |
11J10966
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
竹尾 浩史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ / アミロイドβ / モジュレーター / 光親和性標識 |
Research Abstract |
フェニルイミダゾール型γセクレターゼモジュレーター(GSM)の作用機序を明らかにするため、以下の研究を実施した。 1既知の阻害剤の結合に与える影響:既知の阻害剤によるメカニズムとの関係を明らかにするため、種々の阻害剤型プローブの光親和性標識に対する影響を解析した。その結果、GSMの一種であるSTI120は遷移状態模倣型阻害剤由来のプローブ31C-Bpaの結合を増加させることが分かった。すなわち、ST1120は遷移状態の形成を促進していることが明らかとなった。 2短い基質を用いたGSM薬理作用の解析:GSMが酵素活性に与える影響を解析するため、短いペプチド生FRET基質を用いて検討を行った。γセクレターゼ複合体の最小構成因子であるPresenilin(PS)1/Nicastrin(Nct)/Aph-1aL/Pen_2を発現・精製し、界面活性剤存在下で基質と反応させ、反応速度を蛍光光度計により解析したところ、ST1120は切断速度を4倍近く上昇させることを確認した。すなわちSTI120はγセクレターゼを活性化することを明らかにした。 3GSMの結合に重要な残基の発見:GSMと相互作用するアミノ酸を同定することを目的として、Ala変異体のスクリーニングを行った。ps2NTF内に存在するアミノ酸のうち、(i)保存されている、(ii)フェニルイミダゾールと強い相互作用を作りうる芳香族と極性の高いアミノ酸を選択し、GSM応答性が低下する変異体を探索した。その結果、Y112A、Nl41A、Y246Aの3つの変異体でGSM応答性の低下が認められた。さらにこれらの変異体は光親和性標識プローブST2038の結合が低下していることが確認され、これらのアミノ酸がGSMの結合に重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
GSMの作用機序に関して、新規検出系を用いてγセクレターゼの活性化作用を明解に示すことができた。 また、GSMの応答性を効率よく測定する方法を確立し、γセクレターゼと化合物の相互作用アミノ酸を網羅的に解析することで、世界で初めてGSMが相互作用する可能性が極めて高いアミノ酸を同定することに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)