Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度の目的は, ①チックに対する認知行動療法の効果の検討, ②認知行動療法の効果と関わると今までの研究で示唆された仮説の実証, ③成果の報告を行うことであった。 ①研究結果からは, チックの重症度, チックにともなう社会機能の障害, チックに対する主観的な苦痛の軽減が確認された。チックが臨床的に十分な程度軽減した者は7名中3名(42.9%)であり, 平均で20.1%の重症度の軽減が確認できた。この結果は, 先行研究と同程度であり, 我が国における重症チック障害患者に対する認知行動療法の有用性を支持したものだと考えられる。 ②今年度は, 昨年度までの研究の結果から, チックから生じる二次障害と関係する要因についても検討した。まずは, 東京大学医学部附属病院において, リクルートを実施し, 親子双方を対象とする調査研究を実施した。その結果から質問紙の構成を検討し直したうえで, 日本トゥレット協会に研究協力を依頼し同意を得て, 2014年1月に調査を実施した。質問紙調査の結果からは, 子どものチックに対する動揺と強迫傾向の高さが特に, チック障害の子どもの不安の高さを予測することが示唆された。加えて, 保護者が抱く社会からの孤立感は保護者の精神的健康など様々な変数に影響することが示され, トゥレット症候群というあまり理解されていない障害を対象とする際に, こうした孤立感の軽減が不可欠であることが示された。 ③ヨーロッパ心理学会と児童青年精神医学会において, 認知行動療法の有効性についての示唆や, 昨年度バックトランスレーションしたチックの重症度尺度の妥当性の報告と実際の支援の内容について発表した。また, トゥレット研究会という, トゥレット症候群の専門家が集う場においても, 実践についての検討や考察を発表し, ディスカッションを行った。
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