1960年代以降の米国における進歩主義教育のネットワーク
Project/Area Number |
11J11069
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
橘高 佳恵 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 進歩主義教育 / オープン・エデュケーション / 子ども中心主義 / 民主主義教育 |
Research Abstract |
本研究の対象は、1960年代以降の進歩主義教育である。中心となった5人の教育者の各々独自の活動を辿った昨年度までを基盤とし、今年度は、1960年代以降の進歩主義教育を一つの系譜として浮かび上がらせることを課題とし、以下の知見が得られた。 1.1960年代以降の進歩主義教育は、20世紀初頭の子ども中心主義を引き継ぐ知性的な系譜である。進歩主義教育は反知性的だとして批判されてきたが、教育改革運動の中で反知性的であったのは社会的効率主義および生活適応主義であり、子ども中心主義は、子どもの個性の解放をめざし学校教育を知性的な経験として組織しようとしていた。 2.進歩主義教育の年代ごとの様相。進歩主義教育は、20世紀初頭の勃興の後1960年代半ばに再興し、1970年代初頭にかけオープン・エデュケーションの名で広く知られた。その後は、1970年代に始まる米国の保守化ととりわけ1980年代以降進む新自由主義の教育改革の中、困難な状況が続いている。しかしながら、研究者、教師、保護者の集う場「ノースダコタ評価研究グループ」などにより、進歩主義教育のネットワークが維持されている。 3.1960年代以降の進歩主義教育は、米国における社会民主主義の系譜である。個性化・個別化の観点で検討されることの多いオープン・エデュケーション、進歩主義教育であるが、中心には民主主義社会の追求という政治的性格がある。本研究の取りあげる教育者は、多様性の保障と公正の実現のため格差の是正を望み、公立学校にかかわり続けている。米国において社会民主主義は少数派であり、このことは、進歩主義教育が少数派にとどまったことの説明になると思われる。 本研究で得られた知見は、すべての子どもの学びを保障する公教育のヴィジョンを構築するとともに、学校教育や教師教育の具体的なカリキュラムを構想する手掛かりとなる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)