介護職員のチームケアを阻害する組織行動学的要因および、介護学的要因
Project/Area Number |
11J11111
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social welfare and social work studies
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Research Fellow |
白石 旬子 日本社会事業大学, 社会福祉学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 介護サービス現場 / 介護職員 / 「ケアの考え方」 / コンフリクト / 成長 / 介護実践 / 高齢者介護 / 職場 / 職員同士の「ケアの考え方」の違い / 学習・成長 |
Research Abstract |
本研究は、介護サービス現場において報告されている、介護職員の他職員との「ケアの考え方」の違いに注目し、その具体的内容を捉えるとともに、そのことが、介護現場に肯定的な「成果」をもたらしているのか否かについて、組織論のコンフリクト理論の観点から検討することを目的としたものであった。 調査方法はインタビュー法を用い、その対象は、介護サービス現場においてリーダー的な役割を担っている(担っていた)者であり、介護の方法や考え方を巡って職員同士が対立した職場での勤務経験をもつ者とした。有意抽出した結果、16名から協力が得られた。 質的分析を行った結果、「ケアの考え方」を巡るコンフリクトによって、良い「成果」を得たとした職場には、以下の共通点があることが示唆された。 1)コンフリクトの内容として、「身体拘束を外していくかどうか」、「ナースコールを頻回に押す利用者にその都度対応するかどうか」等、提供するケアの方向性が明確にされやすいものが多い傾向にあった。 2)コンフリクトによる良い「成果」の内容として、「視野の広がり」や「生活時間の個別化」、「行動制限しない」等、職員の成長および、利用者個々に応じたケアの実現に関するものが語られた。 3)コンフリクトが起こった際に、リーダーが、意図的に場を設定して職員皆の意見を引き出すともに、「リレーションシップ・コンフリクト」を高めない働きかけを行い、「タスク・コンフリクト」として活用していた。また、介護職員として利用者を主体において考える視点に立ち戻らせる働きかけを行うことによって、職員間の「価値の一致」を創りだそうとしていた。 介護サービス現場のなかでのコンフリクトが、職員の成長やサービスの質的向上において有用であったことや、その際の条件が示唆されたことは、これからの介護サービスの発展を図っていく上において意義深い結果と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
組織論におけるコンフリクト理論を活用することにより、研究目的がさらに焦点化され、そこから得られた結果も介護サービス現場や介護福祉学・社会福祉学のみならず、コンフリクト研究に対しても一定の知見の貢献に資することができたと考える。したがって、「当初の計画以上に発展した」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究から示された結果を基にした量的調査を行い、結果の信頼性・妥当性を高めていくことが必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)