Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は, 視覚情報の選択性における認知的制御機構を明らかにすることである。本年度は, これまで用いられてきた刺激反応適合性パラダイムだけではなく, ラテラリティ研究で用いられる大域・局所情報同定課題を用いて検討した。昨年度までに明らかになった視野空間の競合頻度および半球内の競合頻度に依拠して行われる認知的制御機構が, 大脳半球機能差に起因しても行われることを明らかにした。そして, 視野空間に対する認知的制御機構には, 二つの制御機構が介在するモデルを提案した。 大脳半球機能差に起因しても, 認知的制御が行われることを示すため, 局所情報によって構成される大複合パターンを左右いずれかに呈示し, 課題要求に応じて変動するラテラリティに注目した。その結果, 課題要求が優位とはならない半球にのみ競合頻度の影響が見られた。これは, 優位半球では課題要求によって効率的な処理を, その対側半球では競合頻度に応じて効率的な処理を行っていることを示している。従って, 認知的制御が大脳半球機能差に起因しても行われていることを示した。 これらの知見から認知的制御機構には位置依存調整機構だけではなく半球起因調整機構による反映が見られることが明らかとなった。左右視野間に対しては, 位置依存調整機構に加え, 半球起因調整機構の調整機構が同等となるため, 頑健にそれらを観察することができる。一方, 上下視野間に対しては, 位置依存調整機構が反映するものの, 半球内の競合頻度が同等となるため, 半球起因調整機構との間で調整傾向が異なるため, それらの機構が拮抗し, 観察される認知的制御が小さくなることが示された。このように, 認知的制御が半球に起因しても行われることが明らかとなった本知見は, 認知的制御研究だけではなく, ラテラリティ研究に対しても新たな知見を提供した。
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