Project/Area Number |
11J11252
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Ueno Gakuen University |
Principal Investigator |
中本 真人 上野学園大学, 日本音楽史研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 御神楽 / 賀茂臨時祭 / 石清水臨時祭 / 競馬負方献物 / 儀礼 / 音楽史 / 歌謡 / 芸能史 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究成果を発展的に整理し、単著『宮廷御神楽芸能史』(新典社、平成25年)として刊行することができた。 本書の内容は、以下の通りである。第一部「宮廷の御神楽の先行儀礼」では、特に賀茂臨時祭の還立の御神楽に先行する儀礼について取り上げ、九世紀以前の儀礼環境について論じている。第二部「宮廷の御神楽と人長・楽人」では、賀茂臨時祭の還立の御神楽の成立以降の御神楽の展開と、それに奉仕した人長・楽人の位置や動向を中心に考察した。宮廷の御神楽については、賀茂臨時祭の還立の御神楽を原型として、石清水臨時祭の社頭の御神楽、および清暑堂御神楽・内侍所御神楽などが形成されたことが従来から指摘されているが、それぞれの御神楽の成立に関わる具体的な活動については、じゅうぶんな説明がなされてこなかった。そこで御神楽の主たる担い手である人長と楽人の活動を通して、宮廷の御神楽の形成と展開を具体的に論じた。 第三部「八幡信仰と御神楽」では、八幡信仰との関わりから御神楽を取り上げた。宮中の御神楽と強い関係が想定されていながら、これまで詳細な研究が出なかった八幡宮の御神楽について、石清水八幡宮寺(第一章)と鶴岡八幡宮寺(第二章)に分けて検討した。 第四部「宮廷の御神楽と楽人の説話及び伝承」では、中世の縁起・説話・楽書などの言説にみられる御神楽や楽人について検討した。これらの言説の中には、批判的検討を経ないまま、御神楽の研究に利用されてきたものも珍しくなく、はたしてどこまで根拠のある資料といえるのか一度考えてみる必要があった。ここでは第一~三部の成果と有機的に関連付けることにより、中世の言説と文献史料との接点に注意しながら、御神楽と楽人に関する記述を検討した。 なお、本書は第31回日本歌謡学会志田延義賞を受賞している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
宮廷の御神楽については、これまでまとまった研究成果がなかったが、単著『宮廷御神楽芸能史』(新典社、平成25年)によって、当該分野の研究の進展に大きく寄与することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
宮廷の御神楽については、単著『宮廷御神楽芸能史』(新典社、平成25年)によって、基礎的研究を行うことができた。今後は、その成果に基づきつつ、特に大嘗祭の芸能に関する基礎的研究を行う計画である。また、多氏が御神楽の拍子の家となっていく過程についても検討していく予定である。
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