筋内脂肪のエネルギー代謝機序の解析-筋線維タイプによる脂肪合成・取込能の差異-
Project/Area Number |
11J40017
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水野谷 祥子 (澤野 祥子) 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 骨格筋 / 遅筋 / 速筋 / RNA-Seq / 脂質代謝関連遺伝子 / 筋線維 / 筋内脂肪 / ミオシン重鎖 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
遅筋と速筋に発現する脂質代謝関連遺伝子を網羅的に解析し、その発現量の比較を行った。 遅筋モデルとしてsoleus、速筋モデルとしてEDLを用い、各々の筋組織からRNAを抽出・処理した後、次世代シーケンサーを用いたRNA-Seq解析に供した。得られたデータセットの品質評価・マッピング・発現量の正規化を行い、遅筋(soleus)と速筋(EDL)に発現する遺伝子の差異について検討した。 遅筋と速筋それぞれに発現する全ての遺伝子を比較した結果、558個の遺伝子について有意な発現量の差異が認められた。そのうち遅筋における発現が多い遺伝子は230個であり、遅筋タイプの筋線維マーカーであるMyHC1をはじめ、β酸化・TCA回路関連遺伝子を中心に有意に発現量が高かった。速筋における発現が多い遺伝子は228個であり、糖代謝に関わる遺伝子発現量が有意に高いことが分かった。 遅筋に多く発現する脂質代謝遺伝子について詳細に解析した結果、脂質酸化系に関連する遺伝子だけでなく、脂肪酸取込に関わるCD36 (fatty acid translocase)および、トリグリセリド合成に関わる遺伝子についても有意に多く発現していた。これらの脂質合成系の遺伝子発現量の増加はreal time RT-PCRにおいても認められた。 したがって、当初の推測通り、遅筋においては、酸化によるエネルギー燃焼を行いつつ合成系の働きも亢進しエネルギー枯渇を防いでいることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、脂肪酸取込に関わるCD36、脂肪酸合成に関わるDGAT1(あるいはDGAT2)など数種のキーとなるタンパク質について遅筋と速筋における動態を調べる予定であった。しかしながら、初期の計画にはなかったRNA-Seq解析を用いたことで、上記のタンパク質を合成する遺伝子をはじめとして、遅筋に多く発現するその他の脂質合成関連遺伝子の存在が複数挙がってきたことは非常に大きな収穫であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度遂行したRNA-Seqにより、遅筋および速筋における遺伝子発現の大まかな差異はつかめたので、今後はH24年度に確立した4種類のミオシン重鎖アイソフオームの分類手法を利用して、より詳細に脂質関連遺伝子の差異について検証していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)