同時的・継次的記憶課題遂行中のニューラルコネクティビティへの情動の影響
Project/Area Number |
11J40064
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
|
Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
奥畑 志帆 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2014-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 短期記憶 / 同時・継次処理 / EEG / MEG / fMRI / 統合解析 / ニューラルネットワーク / 同時的処理 / 継次的処理 / ニューラルコネクティビティ / 脳波 / 脳磁図 / 機能的磁気共鳴画像 |
Research Abstract |
本研究では、1. 記憶過程中のニューラルコネクティビティ分析から同時/継次的記憶様式を支える神経基盤を明らかする及び2. ニューラルコネクティビティの変化から認知機能と情動の関連の神経基盤を明らかにすることを目的とし、脳波(EEG)/脳磁界計測(MEG)/機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて記憶課題遂行中の脳内信号を計測し、統合解析による分析を行う。本計画終了までに1. EEG-MEG-fMRI統合解析手法の確立2. 記憶様式によって異なる神経ネットワークの存在の証明3. 情動と記憶過程とを関連づける神経基盤の解明を目指す。2012年12月の出産にともない、2013年度5月より研究再開準備支援期間を利用し、研究を再開した。本年度は、まずfMRI賦活位置を線形制約条件とするパラメトリック経験ベイズ法EEG-fMRI統合解析により同時・継次的記憶課題遂行中の脳活動を検討した。その結果、呈示条件が異なる場合、記憶維持期間において、第2次視覚野で賦活潜時に差が生じることを示した。一方記憶検索期間では高記憶負荷条件でみとめられた右角回及び前頭極の賦活の様相が呈示条件によらず一定であった。次にfMRI賦活位置を制約条件とするGLSフィルタMEG-fMRI統合解析を行った。その際グループ解析によるfMRI賦活位置を個人脳に逆変換した。ここでは視覚的記憶に関連する左右頭頂間溝(IPS)、左右前頭前野(FEF)、補足眼野(SEF)の5領城における記憶維持期間中の信号源再構成波形に呈示様式の差が示されたが、検索期間において差は示されなかった。これまでの解析では記憶維持期間中の呈示様式の差が視覚的処理の差であることは推察されていたが、それが知覚レベルの差である可能性が排除できなかったが、本年度の研究の結果、記憶に関連する視覚機能に呈示様式が影響することを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出産育児にともない研究中断期間を設けたこともあり、情動の影響に関しては実験の実施が行える状況ではないため、検討できていない。しかしながらニュートラルな情動条件における認知課題中の脳機能については3.モダリティによる測定と解析を終了した。さらに、手法はそれぞれ異なるもののEEG-fMRI・MEG-fMRI両統合解析を行い、成果を公表している。fMRI単独の結果とあわせて検討した上で、これらの成果に一定の信頼性があると判断できる。加えて、ニューラルコネクティビティ解析について、既存データを用いてPhase Lag Index (Stam2007)を算出した結果を検討し公表した。この解析手法を今回取得したデータに適用できると考えており、当初の計画通り、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はEEG-fMRI及びMEG-fMRI解析を実施し、一定の信頼性のある結果を示せた。今後はこれらの統合解析結果を統合的に解釈するためにそれぞれの計測モダリティの特性をおさえて検討を進める。現段階では事象関連電位及び磁場応答を対象としているが、用いるフィルクを変更し、律動活動を再構成した上でコネクティビティの解析を行う。コネクティビティの解析にはセンサレベル・信号源レベルのPhase Lag Index (Stam 2007)及びcoherenceを算出、比較する予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(20 results)