Project/Area Number |
11J40114
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松本 紋子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 神経変性疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / SOD / 凝集体 |
Research Abstract |
構造を特異的に認識する抗体により、可溶性の数量体の存在が推測されていたが、本研究において、一次元目にhigh redolution clear native PAGE (hrCN-PAGE)、二次元目にSDS-AGEを組み合わせた二次元電気泳動を用いることにより、家族性ALSモデルマウスの組織中より、SOD1の可溶性オリゴマー形成の検出に初めて成功した。さらに、それらはSOD1活性を保持していることも分かり、酵素学的にも新たな発見となった。これら可溶性オリゴマーSOD1は、神経系培養細胞(N2a cell)の可溶性細胞質画分だけでなく、ミトコンドリアやマイクロソーム画分からも検出された。特筆すべき点は、発症前は野生型/変異型のヘテロオリゴマーSOD1を形成するが、発症後は変異型のホモオリゴマーSOD1のみが検出され、発症前に認められていたヘテロオリゴマーSOD1は検出されなかったことである。複数の野生型と変異型SOD1のダブルトランスジェニックマウスの実験より、野生型SOD1は変異型SOD1モデルマウスの発症を早めるが、症状の進行に影響は与えないとの結果が報告されていたが、その詳細機構は不明であり、野生型SOD1が変異型SOD1とヘテロ二量体を形成することにより、野生型SOD1のホモダイマーよりも安定化され、毒性が増すのではないかと、培養細胞実験により推測されていた。本研究結果は、野生型SOD1が発症に関与するが進行には関与しないという事実を裏付ける、生体試料による初めての直接的な証拠となり、さらにダイマーだけでなく、オリゴマー形成の関与も示唆した。 また、Transglumatinase 2 (TG2)を用いて、野生型・アポ型SOD1のオリゴマーをin vitroで作成することにも成功した。このオリゴマーSOD1を用いて、ALSモデルマウスに対する免疫療法を試み、良好な結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究成果を数量~多量体検出と免疫療法のプロジェクトを分けて、論文2報にまとめ、投稿中ならびに投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
発症前は野生型/変異型のSOD1のヘテロオリゴマー、発症後は変異型SOD1のホモオリゴマーを形成することが確認された。これらのオリゴマーが神経培養細胞に与える影響を、SOD活性の有無やヘテロ、ホモオリゴマーの違いによって毒性に差があるか検討する予定である。免疫療法は野生型・アポ型SOD1のホモオリゴマーを用いて検討したので良好な結果は得られたものの有意差がなかったので、培養細胞の結果を反影させて再検討したい。
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