フィロウイルス感染症の診断法、疫学及びフィロウイルスの病原性に関する研究
Project/Area Number |
11J56012
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 絵里 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | フィロウイルス / 疫学 / 病原性 / 抗体 |
Research Abstract |
アフリカのザンビア大学との共同研究により、コウモリおよび霊長類を毎年現地で捕獲している。これまでに独自に開発したフィロウイルス種特異抗体検出ELISA法により、2006~2010年に捕獲したコウモリ382頭および2008~2010年に捕獲された霊長類245頭の血清において、フィロウイルス特異抗体のスクリーニングを行った。インドネシアでは、アイルランガ大学との共同研究により霊長類353頭の血清を採取し、同様の方法でスクリーニングを行った。フィリピンでは、中央ルソン大学の協力により、2011年5月に採取された100頭および2012年3月に採取された100頭の豚血清において血清疫学調査を行った苫 ザンビアのコウモリ、霊長類、インドネシアの霊長類においても、フィロウイルス特異抗体陽性を疑う結果が得られた。この事実は、未だフィロウイルス感染症の発生報告がないザンビアやインドネシアにもフィロウイルスが潜んでいる可能性を示唆している。抗体陽性が疑われた霊長類は出血熱の症状を呈していなかったことから、病原性を示すことなく存続する未知の弱毒フィロウイルスの存在が疑われた。不顕性感染を繰り返すことで変異が起こり、病原性を獲得した新たなウイルスが出現する可能性が考えられ.更なる解析及び調査を遂行中である。 フィリピンでは、アフリカで分離されたフィロウイルス種と抗原的、遺伝的に異なり、ヒトに対する病原性も異なるレストンエボラウイルスが1989、1992、1996年に霊長類から、2008年には豚から分離されている。本調査では、特定の屠畜場で採取された豚血清から、2011年および2012年のいずれにおいてもレストンエボラウイルス特異抗体陽性を示す結果が得られた。これは、豚が継続的にウイルスの暴露を受けている可能性を示唆しており、豚から人へのウイルスの伝播も懸念されることから、現在も調査を続けている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)