イントリンシックジョセフソン接合アレイにおけるマイクロ波誘起ボルテックス場の研究
Project/Area Number |
12016207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 実 京都大学, 工学研究科, 教授 (10314238)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 高温超伝導 / トンネル特性 / 最大ジョセフソン電流 / マイクロ波応答 / ボルテックス / Zero Current Crossing / 温度依存性 |
Research Abstract |
(1)Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>単結晶微小メサの作製とトンネル特性 溶媒移動浮遊帯法によって育成されたBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>単結晶を用いて、その劈開表面にフォトリソグラフとArイオンミリングにより5μm角および10μm角、厚さ15nm(約10層)の微小メサを形成し、トンネル特性を測定した。最大ジョセフソン電流は過剰ドープ域の試料において1800A/cm2であった。最大ジョセフソン電流には大接合効果の影響が見られず、温度依存性は本質的なものと考えられる。最大ジョセフソン電流の温度依存性は低温まで飽和傾向が見られず、従来と異なる温度依存性を示すことが明らかとなった。これは超伝導オーダーパラメータのd波対称性と密接に関係すると考えられることができる。さらに、ドーピング量の異なる試料のの温度依存性はほとんど同じであり、普遍的な特性であることを明らかにした。 (2)マイクロ波誘起ボルテックス場の観察 Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>単結晶による5-10μm角、厚さ15nmのメサに対し10-20GHz帯域のマイクロ波を照射しその応答を測定した。マイクロ波の照射によりジョセフソン電流は減少するが、通常のシャピロステップは現れなかった。マイクロ波電力をさらに増加させた場合、正電圧バイアスで負電流が流れる(Zero Current Crossing,ZCC)現象を観察した。さらに、ZCCが現れない程度の弱いマイクロ波パワー照射において、超伝導層と並行に磁場を加えることによってZCC現象が誘起されることを見いだした。これらのことから、固有ジョセフソン接合におけるマイクロ波応答はジョセフソンボルテックスの動力学に密接に関係することを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)