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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.γ-シクロデキストリンーバイキャップ型C_<60>^<2->("C_<60>^<2->")の定量的発生と触媒機能 10%含水DMSO中にトルエン包接Bicapped C_<60>(24水和物,1)と過剰のNaBH_4を加えるとBicapped C_<60>^<2->("C_<60>^<2->")が定量的に生成する。この溶液にアセトフェノンを加え,室温で60分間反応させた後,エーテルで抽出し,エーテル層のガスクロマトグラフから対応するカルビノールが定量的に生成することを見い出した(TON10)。ピナコールの生成は全く認められなかった。1に対し,過剰のアセトフェノン及びNaBH_4を加えることにより,反応が触媒的に進行することが見い出された。NaBH_4のみを還元剤として用いるcontrol実験から本還元がBicapped C_<60>^<2->により起ることを確かめた。アセトフェノンのほか,各種のケトン(例えば,4-メチルアセトフェノン,1-及び2-アセトナフトン,アセト酢酸エチル)が触媒的還元反応をうけ対応するカルビノールに変換された。また,>C=C<も本触媒により還元されることをCH_2=CHCN→CH_3CH_2CNの生成から確認した。 2.γ-シクロデキストリンーバイキャップ型C_<60>^<1->("C_<60>^<1->")の定量的発生と還元機能 包接されたトルエンを除いたBicapped C_<60>(1)水溶液に,まずFeCl_2,ついでNaOHを加えると定量的にBicapped C_<60>^<1->("C_<60>^<1->")(λmax1080nm,ε8600)を生成する。この溶液にトリフェニルテトラゾリウム塩(2,無色)を加えると定量的に対応するホルマザン(3,深紅色)に還元されることを見い出した。control系(γ-CyD+FeCl_2+NaOH)では全く本反応は認められなかった。従って,本生成物は1のcavityに包接されたテトラゾリウム塩へのBicapped C_<60>^<1->からの電子移動により生じたものと考えられる。 3.まとめ Bicapped C_<60>^<n->(n:1及び2)の定量的発生法を確立し,"C_<60>^<1->"ではテトラゾリウム塩のホルマザンへの定量的還元が起ることを見い出した。特筆すべきは,"C_<60>^<2->"により>C=C<及び>C=Oの触媒的還元が起ることを見い出したことである。今後は,"C_<60>^<n->"のnを選択的に発生させることにより,X≡Y,X-Y等の還元的開裂研究を行う予定である。また,不斉還元ついては現在鋭意研究中である。
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