Project/Area Number |
12023238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90186304)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90284538)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 分子膜 / 擬一次元混合原子価錯体 / 白金 / ハロゲン架橋錯体 / 電荷移動 / 自己組織化 / キラリティー |
Research Abstract |
ハロゲン架橋一次元白金混合原子価錯体[Pt(en)_2][PtCl_2(en)_2]と種々のアニオン性合成脂質とのポリイオンコンプレックス形成により、脂溶性の有機-無機超分子組織体を作成した。キラルなアニオン性脂質の合成について合成ルートを検討した結果、L-グルタミン酸ジドデシルエステルとスルホ酢酸を、ピリジン存在下BOP試薬で縮合させる方法が有効であることを明らかにした。この脂質と[Pt(en)_2]、[PtCl_2(en)_2]を含む水溶液を混合したところ、紫色の沈殿がえられた。この紫色はPt(II)→Pt(IV)の電荷移動吸収に基づくものであり、複合体中において一次元白金錯体が形成されていることが判った。この複合体はクロロホルムに分散すると淡黄色となり、これは分子錯体[PtCl_2(en)_2]の色であることから、クロロホルム中においてハロゲン架橋構造は解離していることがわかった。一方、ジクロルメタン中においては紫色の溶液として分散し、溶媒に依存して一次元白金錯体構造が保たれることが判った。この溶液について円偏光二色性スペクトルの測定を行ったところ、電荷移動吸収帯に励起子分裂型のコットン効果が観測された。これは、脂質の不斉によって一次元白金錯体にCDスペクトルが誘起された、はじめての例であり、脂質と一次元錯体の構造秩序性が極めて高いことが明らかとなった。さらに、AFM観察においてナノコイル構造が確認され、そのキラリティは脂質の不斉に依存することを明らかにした。
|