RNAポリメラーゼII転写伸長因子が支配する遺伝子群の動的解析
Project/Area Number |
12028201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 昌則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40189551)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 転写伸長因子 / ELL / elonginA / elonginA2 / p53 / テトラサイクリン制御性プロモーター / テクトースオペロン / 外来遺伝子発現誘導系 |
Research Abstract |
ELLやElonginに代表される転写伸長因子はRNAポリメラーゼIIの一時休止や停止を抑え、mRNA転写速度を促進する一群の蛋白分子である。本研究はELLを中心に用い、細胞内における転写伸長因子の機能的役割を明らかにすることを目的とした。 まず、哺乳動物細胞において厳密な外来遺伝子の発現誘導を可能にするTcIP promoterを用い、ELL cDNAをサイトカイン依存性の造血系細胞であるBaF3細胞株に安定的に導入した。得られた安定変異細胞株においてELLを誘導的に発現させた結果、同分子は細胞増殖を抑制することが明らかとなった。同様の結果は、ELL相同分子であるELL2を用いても再現された。 また、ELLと類似の転写伸長活性を有するElongin Aのアミノ酸配列情報をもとに新規ヒト分子Elongin A2をコードするcDNAを単離した。Elongin A mRNAは広い細胞種・細胞系列において構成的に発現されるのに対し、Elongin A2のmRNA発現は精巣特異的であった。さらに、組み換えElongin A2を用い、試験管内転写伸長アッセイを行った結果、同分子はRNA polymerase IIの転写伸長促進活性を有することが明らかとなった。Elongin Aの場合、その転写伸長活性は調節分子と考えられているElongin B/Cとの結合により増強されるのに対し、Elongin A2の転写伸長活性はElongin B/Cにより全く影響を受けなかった。 今回樹立に成功したELL誘導発現細胞を用い、DNA chip解析を通してELL誘導前後のmRNA間において発現レベルが有意に変動する遺伝子群を同定し、細胞増殖制御とELL標的遺伝子群の関連を追求していく予定である。また、Elongin A2の組織特異的な役割ならびにその機能制御機構を検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)