カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIの神経細胞内局在とシナプス機能の調節
Project/Area Number |
12031218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 二郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アストロサイト / インスリン分泌反応 / NG108-15細胞 / カルモデュリン / カルモデュリンキナーゼII / シナプシンI / MIN6細胞 / 燐酸化特異抗体 |
Research Abstract |
カルシウム/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMキナーゼII)には4種類のサブユニットの遺伝子が存在する。さらに、それぞれのサブユニットには可変領域のスプライシングの違いにより複数のアイソフォームが存在する。われわれはデルタサブユニットの中のデルタ2アイソフォームが様々な種類の培養細胞において多量に発現していることを見出した。今回、それぞれの培養細胞においてデルタ2の細胞内局在部位を検討した。さらに、インスリン分泌細胞であるMIN6細胞を用いて、デルタ2が神経伝達物質やホルモン分泌に関与する可能性を検討した。1.ラット脳の培養アストロサイトとNG108-15細胞での共焦点レーザー顕微鏡による観察では、デルタ2の局在部位は小胞体とゴルジ体に一致していた。2.MIN6細胞での検討では、1)単離したインスリン分泌顆粒上に、デルタ2とシナプシンIbが局在した。2)デルタ2をMIN6細胞に過剰発現させた後の高濃度グルコースやトルブタマイドの処理により、デルタ2の活性化とインスリン分泌が相関して増強した。3)CaMキナーゼIIはシナプシンIbの566番目と603番目のセリン残基を燐酸化することが知られている。これらの部位が燐酸化されたシナプシンIに対する燐酸化特異抗体を作製した。作製した燐酸化特異抗体を用いて免疫ブロットを行うと、高濃度グルコースやトルブタマイドの処理によりシナプシンIの燐酸化反応が増加した。デルタ2の過剰発現により本反応がさらに増強された。4)点突然変異法により触媒活性のない変異酵素を作製した。作製した変異酵素の過剰発現ではシナプシンIの燐酸化もインスリン分泌反応も増加しないことを確認した。 これらの結果は、デルタ2が小胞輸送に伴って分泌顆粒上に移行し、シナプシンIの燐酸化反応を介して、神経伝達物質放出などのシナプス機能やホルモン分泌に関与することを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)