B細胞分化・多様化を制御する抗原受容体シグナルにおけるBASH/BLNKの役割
Project/Area Number |
12051238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 克彦 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20287486)
岡本 憲明 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (10318230)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | B細胞抗原受容体 / シグナル伝達 / B細胞分化 / BASH / BLNK / レセプターエディティング / アポトーシス / 対立遺伝子排除 / HPK1 |
Research Abstract |
B細胞特異的アダプターBASH/BLNKを欠損するマウスを作製し解析したところ、キメラマウスの解析結果と一致して、成熟B細胞の減少、BCR刺激に対する低反応、腹腔B1細胞の欠如、抗体産生低下、骨髄大型プレB細胞の蓄積などがみられた。脾臓B細胞のL鎖は、正常では約6%がλ鎖陽性であったが、BASH-/-B細胞では約1-2%にすぎなかった。また、κ鎖遺伝子のRS組換えがBASH-/-B細胞では減少していた。これより、BASH-/-B細胞は分化過程でreceptor editingを起こす頻度が低下していると考えられた。従って、BASH-/-マウスでは自己抗原に対するトレランスが不十分である可能性がある。一方、IgH a/b両アレルを有するBASH-/-マウスを作製して、H鎖対立遺伝子排除を調べたが、両アレルを同時に発現するB細胞は骨髄にも脾臓にもなく、H鎖対立遺伝子排除は正常であった。また、BASH-/-未熟B細胞は正常B細胞と比べて培養中にアポトーシスを起こしやすかった。以上の結果より、BASHは1)骨髄未熟B細胞において自己抗原認識によって誘導されるreceptor editing、2)末梢B細胞の定常状態での生存、を誘導するBCRからのシグナル伝達に重要であるが、H鎖対立遺伝子排除を誘導するpreBCRシグナル伝達には必要でないことが新たに明らかになった。 BASHのC末端に位置するSH2ドメインの機能を理解するために、SH2ドメインに結合する蛋白を探索した。その結果、BCR刺激後チロシンリン酸化されたHPK1が直接このSH2ドメインに結合することを見出した。HPK1はMAP4Kに属するSer/Thrキナーゼで、造血系細胞に選択的に発現するが、その役割は不明であった。さらに我々は、BCR刺激によりHPK1キナーゼ活性が誘導され、この活性化にはBASHのSH2ドメインとの結合が必要であることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)