基底核-視床-大脳皮質神経回路網の機能発現における分化抑制因子Id2の役割
Project/Area Number |
12053241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
横田 義史 福井医科大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 分化抑制因子 / Id2 / 細胞分化 / ドーパミン作動性神経 / 黒質 / 転写因子 |
Research Abstract |
分化抑制因子Id2はbHLH型転写因子の機能抑制因子であり、細胞分化の阻害と細胞増殖促進活性を示す。本年度はId2欠損マウスが示す多動の発症機序の検討および詳細な行動解析、さらにオリゴデンドロサイトの分化・増殖過程におけるId2の役割を検討した。 抗ドーパミントランスポーター抗体などを用いて黒質のドーパミン作動性神経を検討したところ、その数に増減は見られないものの、黒質緻密部から網様部への樹状突起の伸展がId2欠損マウスではほとんど見られなかった。黒質網様部にはGABA作動性の抑制性神経が存在し、緻密部から伸展してくるドーパミン作動性神経の樹状突起を介して抑制的に制御していると考えられているが、Id2欠損マウスではこの抑制的制御が減少しているために黒質緻密部のドーパミン作動性神経の過興奮を来たし、その結果、多動などの異常行動を示している可能性が示唆された。現在、黒質緻密部ドーパミン作動性神経の樹状突起の伸展障害を招来する分子基盤を明らかにすべく解析を継続中である。 行動解析においては、Id2欠損マウスが電気刺激を用いた驚愕反射においてprepulse inhibitionがかかりにくいこと、passive avoidanceに障害があること、水迷路テストにおいて障害がみられることが判明し、Id2欠損マウスには注意障害と記銘障害が認められることが明らかになった。 また、Id2がオリゴデンドロサイトの増殖と分化を調節していることを明らかにした。 さらに、癌抑制因子であるRbの遺伝子欠損マウスでは神経細胞の過増殖とアポトーシスが見られるが、Id2をさらに欠損させることによりこれらがレスキューされることを示した。またId2がmycの下流遺伝子としてRbの機能調節を行っていることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)