Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
超高真空装置に実装可能なスリット型原子偏向器の製作を進めた。長さ20μm,幅200nmのスリットを作製し、Rb原子操作用の波長780nmのレーザ光源で近接場光を誘起した。強度分布を開口径100nmのファイバプローブでスキャンして近接場光強度分布(e^<-2>減衰長が約200nm)を計測した。また、近接場光励起用レーザ光の偏向依存性を調べ、スリットに垂直に入射したとき最も効率よく近接場光が誘起されることを確認した。偏向原子の検出に用いる2段階近接場光イオン化の効率を見積もるために、2色(波長780nmおよび476.5nm)の近接場光による冷却Rb原子のイオン化実験を行った。ダイオードレーザ光の波長と強度を変えて測定したドップラーフリー・イオン化スペクトルから、入射原子密度7×10^8atom/cm^3の場合、3カウントの効率で検出可能であることが分かった。近接場光ファネルからの出力Rb原子フラックスを10^5個/s・cm^2から10^<12>個/s・cm^2へ増加させるために、実験システムの改良をおこなった。ファネル内部の磁気光学トラップの高さを5mmから3mmに下げ、重力による加速を40%抑制してファネルへの供給原子の運動エネルギーを0.6mK以下にした。また、ファネルからの出力原子の加熱・散逸を防ぐための近接場光励起用中空ビームの改良を進めた。原子操作用ファイバプローブによる冷却Rb原子の分光実験を進めた。開口径120nmのプローブを磁気光学トラップで生成した冷却Rb集団に接近させ、原子からの共鳴蛍光を計測した結果、10個の原子集団から10光子程度を受光可能であることがわかった。ファイバプローブでの原子トラップで必要なトラップポテンシャルの浅い基底下準位から深い基底上準位への近接場光遷移を調べるために、ファイバプローブによる冷却原子の励起実験を試みた。
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