Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 昌一 帝京平成大学, 情報学部, 助教授 (10245293)
郡 史郎 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (40144539)
桑原 尚夫 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70225324)
吉田 優子 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教授 (70288603)
力丸 裕 同志社大学, 工学部, 教授 (90260207)
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Budget Amount *help |
¥41,800,000 (Direct Cost: ¥41,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥10,200,000 (Direct Cost: ¥10,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥15,900,000 (Direct Cost: ¥15,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥15,700,000 (Direct Cost: ¥15,700,000)
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Research Abstract |
日本語の韻律について,現象面から見た多様性と歌唱における韻律制御の自由度,韻律の個人性,社会的要因の影響,感情との関係,韻律情報の脳内処理に関する神経科学的検討,一般言語学からの考察を行った. (1)特殊な状況での韻律についてのデータから音響的特徴の変動幅を調査した.特殊な発声例として,幼児の矯声における高F_0,高校野球の選手宣誓における平坦F_0,母語との近さや状況による平均F_0の違いなどを調べた.また,制約付きの韻律としての歌唱におけるF_0の特にビブラートについて邦楽と洋楽(ベルカント唱法)を比較した. (2)基本周波数、ホルマント周波数等の音響的特徴と個人性との関係を物理的および知覚的に分析した.同時に,発声速度の異なる音声や,訛りなどに現われる特徴の変化についても研究した.個別音に関する研究としては,連続音声中に現れる鼻音化された/g/について,音響的ならびに知覚的な面から検討した. (3)社会的要因に由来する韻律の多様性.およびアクセント型以外の韻律の地域的多様性について,社会言語学的観点を加えつつ音響音声学的な手法を用いて調査した.具体的には,共通の台詞を種々の方言話者が発声した音声データについての知覚的な印象について検討した. (4)発話に含まれる感情と韻律の関係を多変量解析等の手法を用いて規則として抽出し,その規則に基づいた韻律で音声合成を行い,その有効性を評価した.また,百人一首の韻律やホーミーについても研究した. (5)物理量としての音のどのパラメタが韻律知覚に関与し,脳内のどのような処理によって,韻律知覚が生成されているかを,劣化音声を用いて聴覚神経科学の立場から追究し,韻律知覚生成機構の解明を試みた. (6)一般言語学の立場から,ピッチアクセント言語である日本語の韻律をストレスアクセント言語における韻律と比較することによって,音声におけるアクセント付与の普遍性について考察した.
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