マクロファージの泡沫化に関わる分子の検索および解析
Project/Area Number |
12204109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
真崎 雄一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (60311304)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 明子 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Keywords | パキシリン / ARFGAP / ファゴサイトシス / アクチン / マクロファージー |
Research Abstract |
粥状硬化は、高血圧を含む多くの循環器疾患を引き起こす原因の一つである。粥状硬化は、血管内皮に浸潤したマクロファージが、特に、酸化LDLを取り込むことによって泡沫細胞化し、その後、内膜に蓄積することが原因であると考えられている。酸化LDLは、スカベンジャーレセプター等を介してマクロファージ内へ積極的に取り込まれるとともに、マクロファージの遊走能に対して促進活性を持つことが報告されている。一方、インテグリン裏打ちタンパク質であるパキシリン及びその結合タンパク質が、単球細胞及びマクロファージの浸潤、運動過程、さらに貪食過程にも関与することが明らかとなってきた。本研究では、パキシリン結合タンパク質に共通するドメインに注目し、遺伝子データベースによる検索、構造分類を行う。さらに、それら遺伝子のマクロファージの運動及び貪食過程における関与、酸化LDLを貪食させた際の発現パターンを調べることで、マクロファージの泡沫化に関与する遺伝子の探査解明を行い、粥状硬化の予防、診断、治療に貢献することを目標としている。 本年度は、パキシリン結合タンパク質に共通するドメインであるARFGAPドメインに注目し、検索の結果、9つのタンパク質がこれに該当することが明らかとなった。これらは、アンキリンモチーフを持つもの(7つ)と持たないもの(2つ)の2つの群に分類することができた。これら全てのタンパク質を293T細胞を使い発現させ、パキシリンとの結合を調べた。その結果、アンキリンモチーフを持つものでは、発現しなかった1つ除く、残り6つ全てのタンパク質がパキシリンに結合したのに対し、アンキリンモチーフを持たないものでは、いずれもパキシリンに対して結合を示さなかった。さらに、アンキリンモチーフを持つものうち、これまで我々が解析を進めてきたPAG1とPAG3について、マクロファージの貪食過程における関与を調べた結果、PAG1が貪食過程においてほとんど影響を示さなかったのに対し、PAG3は、貪食過程において深く関与することが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)