Project/Area Number |
12206072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 放射線・アイソトープセンター, 助教授 (70208122)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 分配 / 大腸菌 / 枯草菌 / 染色体外因子 / 染色体 / ゲノム / バクテリア / プラスミド |
Research Abstract |
<背景と目的>バクテリアでは染色体外因子にこれら因子を娘細胞へと伝えるための分配機構が見つかっている。この分配機構には2つのタンパクをコードする遺伝子とこれらのタンパクが作用するDNA部位、いわばセントロメアに相当する遺伝子が必要でありこれらの遺伝子は一つのオペロンを構成している。この分配遺伝子の働きによりプラスミドでは細胞の中央部に局在化されていたものが細胞長の1/4と3/4の部位に分かれる。この局在化のためには分配複合体が宿主側の因子に結合しているものと考えられるがいまだよくわかっていない。ゲノム研究の進展から、この分配遺伝子と相同性を持つものがバクテリアで見つかってきた。プラスミドの分配機構を明らかにするため新たに見つかってきた遺伝子をその配列から検討した。 <検討結果>Fプラスミドの分配遺伝子の相同遺伝子を検索した。それぞれに50以上のホモログが見つかりこれらのファミリーをParAとParBとした。アミノ酸配列によるタンパクの系統樹ではParABとも2つに別れ、ゲノムに由来し比較的保存性が高いグループと染色体外因子に由来し配列の多様性が著しいグループであった。保存性の高い分配機構が種を超えて働きうるか実証するためBacillus subtilisの分配遺伝子soj-spoOJ-parSがEscherichia coliにおいてプラスミド分配遺伝子として機能するか調べた。世代あたりのプラスミドの保持率と細胞内での局在化の両点からB.subtilisの分配遺伝子がE.coliでも機能すると結論した。 <考察>parAB分配遺伝子は染色体からプラスミドやファージに移ることでこの染色体外因子があたらしい宿主で安定保持されやすいだろう。これは種間でも機能しプラスミドやファージのバクテリア間での伝播に寄与したと考えられる。グラム陰性と陽性のバクテリアの間でも機能することから、分配の宿主因子はそれぞれの種に今も共通に保存されていると考えられる。
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