Project/Area Number |
12210146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
新谷 隆史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10312208)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 網膜 / 神経細胞 / 発生 / 領域特異性 / レチノイン酸 / Pax6 / BMP-4 |
Research Abstract |
RLCS法によりニワトリ網膜において領域特異的に発現する既知及び新規の53個の分子を同定した。これらの発現パターンについて、発生の各段階を追ってin situ hybridizationによる詳細な解析を行った。その結果、これらの分子はその発現時期や発現細胞の型が様々であることが明らかになった。 今年度は特に、新規レチノイン酸(RA)合成酵素RALDH-3とVentroptinと名付けた新規BMP-4中和分子について詳しい解析を行った。網膜の背腹軸に沿った領域特異化には腹側で高いRAの濃度勾配が重要であることが示唆されてきた。我々は腹側特異的に発現する分子の1つが、RA合成能を有し、網膜の発生初期に頭部腹側で、その後網膜腹側で高い発現を示すことを見出した。これらのことよりこの分子が永らく未同定だった腹側特異的なRA合成酵素であると結論し、RALDH-3と命名した。さらにPax6変異ラットにおいてRALDH-3の発現が完全に消失していることを見出し、RALDH-3はPax6の下流に位置し、眼の発生そのものにも重要な役割を果たしていることも予測された。 一方Ventroptinは新規分泌性因子でBMP-4に結合し、その活性を中和することを見出した。BMP-4は網膜背側に発現し背側の領域特異化に重要であることが示されている。Ventroptinの発現は網膜の発生初期より腹側で見られるため、BMPシグナルの調節を通じて網膜における領域特異化に関与することが示唆された。
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