モデル動物を用いた全前脳症、神経管閉鎖不全症、精神疾患の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
12210157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (10232076)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | 精神神経疾患 / 神経管閉鎖不全症 / 行動解析 / 驚愕反応 / 転写因子 / 全前脳症 / Zicファミリー / 遺伝子ターゲッティング |
Research Abstract |
本研究の主題は全前脳症ならびに神経管閉鎖不全症の発症機構の理解、およびそれに関連した精神疾患の病態の理解である。申請者らはこれまでに神経発生を制御するZincフィンガー型転写因子Zicを発見し、この因子が神経外胚葉、神経堤の形成ならびに神経組織のパターン形成に関わることを見出してきた。最近、Zicファミリーに属する因子のいくつかが全前脳症、神経管閉鎖不全症に関与し、ヒトZIC2は全前脳症の原因遺伝子であることが明らかになった。今年度は申請者らが作製したZicファミリーの遺伝子変異モデル動物系を用いて、Zic1,Zic2,Zic3,Zic5遺伝子変異マウスの解析、全前脳症ならびに神経管閉鎖不全症の発症機構の理解に取り組んだ。その結果、Zic1変異マウスでは筋緊張度の低下が認められ、ヒトのJoubert症候群に似た病態がおきているらしいこと、Zic2変異マウスでは驚愕反応を制御する神経回路に異常があり、ヒトの精神分裂病と似た行動異常を示すこと、Zic2変異マウスにおいては、全前脳症の発症初期に前脳の正中部に発現するいくつかの遺伝子の発現が低下していることが明らかになった。現在、全前脳症の発症機構を明らかにすべく、これらの遺伝子の相互の関係についての解析を進めている。また、Zic3変異マウスについては自然発症変異マウスが報告され、このマウスで観察される神経管奇形の解析に着手した。Zic5変異マウスは相同組換え法により、作出に成功し、交配を進めた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)