EBウイルス癌遺伝子LMP1発現上皮細胞の悪性化とシグナル伝達機構
Project/Area Number |
12213052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
原田 志津子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10218646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博 金沢大学, がん研究所, 教授 (00115239)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | EBウイルス / LMP1 / 発がん / 悪性化 / 癌ウイルス / EBNA / シグナル伝 |
Research Abstract |
ヒトの癌ウイルスであるEpstein-Barr(EB)ウルスの膜蛋白LMP1は発がんに関与するウイルス遺伝子産物と考えられている。TNF受容体シグナル伝達系を模して機能するLMP1蛋白の上皮系細胞形質転換活性の検討を行い以下の結果を得た。 (1)LMP1を持続的に発現する細胞株を上皮系細胞株MDCK細胞より得た。発現細胞は上皮様から繊維芽細胞様の形態に形質転換し浸潤性増殖能を獲得した。遺伝子変化をdifferential display法で調べると、PAI-1、uPA、Ets-1遺伝子の発現上昇が見られた。dominant negativeを用いた実験から形質転換機構の一部はEts-1遺伝子発現上昇に起因することが明かとなった。B細胞不死化に重要なTRAF(TNFリセプター結合蛋白因子)が直接結合する膜近傍ドメインは上皮系細胞浸潤性増殖能の獲得に不可欠であった。(Oncogene,2000) (2)Cre-loxP発現制御系を用いたLMP1の高発現によって上皮系細胞死が誘導されることが確認された。細胞死を誘導するLMP1蛋白ドメインは不死化に重要なドメインとは異なる事が示された。また、その細胞死はカスペース8の活性化を介さないネクローシス的なアポトーシスの可能性を示した。EBウイルスによる発がんに於いてはウイルス膜蛋白LMP1発現量の調節のみならず、その制御に関わる核蛋白EBNA-2およびEBNA-LPの機能制御が重要である事が示唆された。 (3)核蛋白EBNA-2の遺伝子発現制御に関わる機能を調べるためドメイン解析をおこなった。変異体EBNA-2を用いた免疫沈降実験などで、N末端領域の最低二つの部分で会合し多量体を形成する事を明らかにした(J.Virol.2001a)。EBNA-2の転写活性化能を昂進させる補因子EBNA-LPが相互作用する細胞蛋白の同定を試み、リン酸化酵素の関与を示唆するデータを得た(J.Virol.2001b)。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)