DNA複製エラーを惹起するDNAポリメラーゼ・ゼータが発がん過程で果たす役割
Project/Area Number |
12213149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
王 継揚 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 研究員 (80231041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 景正 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (00204397)
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 部長 (20171572)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 損傷乗り越えDNA合成 / 突然変異 / DNAポリメラーゼζ / 発がん / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
Polζのcatalytic subunitであるRev3のノックアウトマウスを中心に解析を行った。Rev3ホモ胚は胎生7.5日から胚胎組織の発生障害が認められ、胎生10.5日までに死滅した。また、7.5日以後の胚胎組織においては、広範なアポトーシスがTUNEL法により検出された。これらの結果から、Rev3は胚発生期の細胞の生存と増殖に必須であることが示された。また、p53-/-と交配した場合でも、Rev3-/-マウスにおける胎生致死がレスキューされないことから、Rev3欠損による胎生致死はp53非依存性であることが示された。さらに、ダブルノックアウト法によりRev3-/-ES細胞が得られないことも判明し、Rev3は胚発生のみならず、細胞の生存に必須であることが示された。一方、GSTとマウスRev3の融合蛋白質を利用して、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を作成した。抗マウスRev3抗体を用いた細胞染色では、Rev3がreplication complexに局在することが示唆された。以上の結果より、哺乳類のPolζは損傷DNAの合成と突然変異の誘発に重要であるのみならず、細胞の生存そのものに必須であることが示唆された。一方、酵母においては、Polζは細胞の生存や増殖に必須ではないことから、哺乳類のPolζの機能については次の2つの可能性が考えられる。 1.哺乳類のPolζは損傷DNAの複製以外に、何らかの形で通常のDNA複製に関わっている。 2.哺乳類のPolζは酵母Polζと同様な機能しか持っていないが、哺乳類のゲノムが酵母に比べ格段に大きいために、多種多様なDNA損傷が発生する。そうした損傷の中にPolζによってのみ乗り越えられるものがある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)