Chkチロシンキナーゼによる細胞増殖制御機構の解析
Project/Area Number |
12215127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 直人 千葉大学, 薬学部, 教授 (00166620)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | Src型チロシンキナーゼ / Csk / Csk homologous kinase(Chk) / 多核化 / 細胞内局在 / 細胞増殖 / 染色体 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
発癌ウイルスがもつSrc型チロシンリン酸化酵素(v-Srcやv-Yes)は、キナーゼ活性調節領域に遺伝子変異をもち、恒常的キナーゼ活性化を起こし細胞を癌化へと導く。様々な組織・細胞種に多重発現する癌原遺伝子産物Src型チロシンキナーゼ群(c-Src・c-Yes・c-Fgr・Lyn・Fyn・Hck・Lck・Blk)は、組織遍在発現性をもつCskチロシンキナーゼ(C-terminal Src kinase)によりチロシンリン酸化を受けて、活性が抑制的に制御されている。Src型キナーゼとその活性制御機構は多細胞生物特有であり、ヒトなどの哺乳動物細胞で機能制御の研究を進めることは癌研究において重要である。我々は、Csk homologous kinase(Chk)がSrc抑制性チロシンキナーゼCskとファミリーを形成すること、膜結合型Chkを介したLynキナーゼ選択的Src型キナーゼ抑制機構の存在を明らかにしてきた。Chk恒常的過剰発現が血液系細胞の増殖遅延と多核化を誘導すること、LynとChkが染色体や紡錘糸にも会合し、染色体の動態に関与することが示唆された。今回、上皮系癌細胞株HeLaやCOS-1細胞でもLynが核内に存在することを見いだした。alkをCOS-1細胞に遺伝子導入して大量発現させると、細胞質と核にも発現した。一方、SH2領域欠失Chk変異体は核に局在し、多形核化分葉核化・多核化を誘導して増殖を抑制した。Lynキナーゼ領域欠失変異体をCOS-1細胞やHeLa細胞に遺伝子導入すると、核での発現が認められ、Chk過剰発現血液系細胞株と類似した多核化が起こることが分かった。Src型チロシンキナーゼLynの細胞核分裂と染色体の動態への役割が推察される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)