Project/Area Number |
12710103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
喜多 加実代 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (30272743)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 精神医療政策 / 精神病者監護法 / 精神病院法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代日本の精神医療政策を特に欧米諸国との比較・関連で考察することである。これまでの研究の過程で、しばしば日本に特徴的なものと言われる患者家族への看護義務、私宅での監護は、酉欧諸国にも見られるものであることが判明した。そのため「精神病者監護法」(1900年制定)「精神病院法」(1919年制定)当時の精神障害者関連法案とその前史を、酉欧諸国との比較を中心に検討することを試みた。 英米を中心にした精神医療政策史に関する先行研究を検討した結果、英米圏における精神障害者処遇に関する研究蓄積や動向がある程度明らかになり、M.フーコー『狂気の歴史』がこれらの研究にもたらした影響の大きさを確認した。同時に、これら英米圏の研究が、あまり日本に紹介されていないことも明らかになった。また、『狂気の歴史』における「大いなる監禁」という概念自体がそれら研究のなかで一方で疑問視され、他方で再解釈されている点からも、日本の当時の状況を他国との比較で詳細に検討する必要が確認された。 今年度は、まず、特にイギリスの精神障害者関連法の展開を、一部ではあるが一次資料の検討を通じて、法制定の契機となった問題提起から考察した。その際、私宅への監禁、病院への入院手続き等において、日本と同様の議論もあったことが確認された。また、これも特にイギリスとの比較で触法精神障害者の処遇・法的措置の問題を再度見直す作業を行い、その成果を神戸で開催された第4回国際保健医療行動科学会議で報告した。また、欧米での先行研究の動向を理解するのに妥当と思われた論文を翻訳の形で『福岡教育大学紀要』において紹介した。家族責任、家族看護についても検討を行ったが、日本と比較した分析は今後の課題となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)