Project/Area Number |
12710153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
西本 裕輝 琉球大学, 法文学部, 助教授 (20301393)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 学力 / 文化的再生産論 / 低学力問題 / パーソナリティ / ビッグ・ファイブ / 共分散構造分析 / 沖縄 / 学力検査 |
Research Abstract |
本研究は沖縄の低学力の現状とその要因を調査を通して明らかにし、そうした問題にどのように対処すればよいかについて示唆を得ることを目的とした。 分析に必要なデータを得るために質問紙調査を行った。対象としたのは、沖縄県那覇市に位置する公立A中学校、北部の名護市に位置する公立B中学校、そして比較対象として広島県広島市に位置する公立C中学校である。対象はすべて中学1年生であり、対象人数はそれぞれ、154名、157名、269名、合計580名である。調査時期は平成12年11月であった。また補足的に、教師に対するインタビュー調査も行った。 調査は実際の学力を測定するための「学力検査」と、低学力の要因を探るための「質問紙」の二っの部分からなる。「学力検査」は教研式・全国標準「診断的学力検査」を用いた。教科は国・数・理の三教科である。質問紙は「中学生の学校生活についての調査」と銘打った独自に作成したものを用いた。質問項目は、学校生活、家庭環境、生徒の心理的側面等、学力に関連すると思われる様々な要因について問うものである。 調査データの分析結果から、第一に、概して沖縄の中学生の学力は県外の中学生に比べ低いこと、第二に、沖縄の持っ特有のパーソナリティ、文化が学力に対してマイナスの影響を与えていることが明らかになった。例えば、パーソナリティ測定項目であるビッグ・ファイブの「調和性」の因子得点は、県外に比べ沖縄の中学生の方が高くなっている。こうしたパーソナリティは人間性という面から言えばむしろよいとされるものであろうが、こと学力達成ということに限定すれば、負の効果を与えているのである。またそうしたパーソナリティは沖縄特有の文化(協調性、調和性、親和性等)に影響を受けている。こうしたことから、沖縄の学力を向上させるということが命題だとすれば、それを遂行することによってかえって沖縄のよさが失われてしまうという難題に突き当たることになる。今の学力向上対策の在り方、学力のとらえ方自体を見直すことも必要となろう。 なお、この調査研究から得られた成果は、日本教育社会学、日本杜会心理学などで発表、琉球大学法文学部紀要に執筆しているが、今後もさらなる分析を進め、各学会誌に投稿する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)