Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Research Abstract |
生涯学習とリハビリテーションの視点から,障害高齢者の「学習」を支援していくための基礎的調査研究として,痴呆・高次脳機能障害を伴わない身体障害を主とした高齢者のうち,施設を利用して生活を送っている方を対象に,学習の現状と学習ニーズを把握することを目的に調査を実施した. 老人保健施設や老人ホームなどで実施されているデイケア・デイサービス利用者(施設利用者)277名分のデータを分析対象とした.「学ぶこと」の必要性を大いに感じているものは46%,やや感じているもの39%を合わせると85%が何らかの学習の必要性を感じていると回答した.施設サービスを利用目的として最も多かったものは機能維持・回復77%であったが,参加していることが楽しいから56%,友人をつくる43%,趣味を生かす26%,そして何かを学びたいため28%であった.これらを利用した結果,身体が動きやすくなった48%,知識や技術が身についた33%,記憶や思考力が改善した18%,友人や仲間ができた63%,生活にリズムやはりができた47%,生きがいを見だせた30%であった.施設サービスが学習の場であると感じているものは72%,学習の場ではない6%,どちらでもない22%であった.つぎに,これこれらの施設サービスの利用意義を数量化III類の手法にて構造化し,日常生活活動(ADL)能力と罹病期間による分析を加えた.その結果,「生活」を原点とし,「身体的機能の維持・改善-精神の充実」軸,「個別-交流」軸による構造が示された.ADL全介助群は「精神の充実-交流」的傾向を示し,自立群は「精神の充実-個別」的傾向を示した.罹病期間2年未満群は「身体的機能の維持・改善-個別」的傾向を示し,その後「精神の充実-交流」的傾向に移行した.了解が得られた3名へのインタビューは,これらの結果を支持するものであった. 今回の調査研究において,施設利用者のリハビリテーションヘのニーズとともに,「学習」へのニーズを示すことができた.
|