Project/Area Number |
12720060
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 俊道 九州大学, 法学研究院, 助教授 (80305408)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ルネサンス / イングランド / 宮廷 / 作法 / 顧問官 / 人文主義 / 枢密院 / ベイコン / カスティリオーネ / 活動的生活 |
Research Abstract |
平成13年度における調査(マイクロフィルムEarly English 1475-1640;枢密院議事録Acts of Privy Co uncil in England 1542-1631など)を通じて、ルネサンス期イングランドの宮廷文化に関する以下の事柄が明らかとなった。 16世紀から17世紀にかけてのイングランドの宮廷社会においては、当時の人文主義者による一連の「作法書(courtesy book)」の受容と出版を通じて、枢密顧問官をはじめとする統治エリート(ジェントルマン)の行為規範が形成された。 国王が主宰するルネサンス期の宮廷は同時代ヨーロッパにおける政治的中心であり、各国の大使・使節をはじめ、「異質」な「他者」が相互に対面する場であった。したがって、宮廷社会においては<courtesy>,<civility>,<manners>,<conversation>など「他者」との「共存」を可能にするための「言語」と「意識」が持続的に再生産された。 このような「洗練された交際(civil conversation)」は政治生活にも不可欠であり、とくに宮廷の枢密院において重要視された。同時代の枢密院はまさに顧問官が国王に対して「役割演技」を遂行し、情況に適応しつつ「他者」として「助言」する場であった。このような「作法」は実際に、Francis BaconやThomas Wilsonをはじめ、エリザベス期およびジェイムズ1世期における枢密顧問官の行為規範として強く意識されていたのである。 なお、以上の研究の途中結果は、平成13年3月の思想史研究会(於九州大学)で公開報告された。 また、筆者は現在、以上のような「宮廷」研究を継続・発展させ、時代を拡げて17・18世紀における「作法書」の分析作業を遂行している。この成果は平成14年10月発行予定の『法政研究』第69巻において公表し、併せて同月の政治学会において報告する予定である。
|