金融コンクロマリットの形成が金融機関の国際競争力と信用秩序に与える影響の研究
Project/Area Number |
12730058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
家森 信善 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80220515)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 金融コングロマリット / 合併 / 金融グループ / ブルーデンス政策 / 信用秩序 / 金融庁 / ナローバンク / 規制 / 銀行統合 / ポートフォリオ効果 / 金融システム |
Research Abstract |
金融コングロマリットの光と陰の両面を明らかにすることが本研究の研究目的であった。本研究は次のように進めた。第一に、金融機関監督・規制についての学術的な議論の整理を行った。第二に、規制当局が実際にどのようなスタンスで金融コングロマリットの規制・監督にあたっているのかを知っておく必要があるために、金融庁や日本銀行などの日本の規制当局だけでなく、FRBなどの米国の規制当局、EU委員会などのヨーロッパの規制当局、さらにはBISなどの国際機関などでの議論を参照した。第三に、日本における(広義の)金融コングロマリットの形成が、学問的な視点や政策当局の視点から見てどのような問題を提起しているかを分析した。第四に、以上の分析をふまえて、金融コングロマリットの形成に対して規制当局が取るべき規制・監督内容についての政策的に採用可能な提言をとりまとめた。 研究の成果としては、まず、金融コングロマリットの形成の背景を解明した点である。研究期間中にも、たとえば、三和銀行と東海銀行が合併しUFJ銀行が発足するなどの同業種間での合従連衡が進み、ミレア・グループのように生損保の融合を図ろうという動きもでてきている。さらに、IYバンクやソニー銀行のように非金融業と銀行業の連携も強まってきている。本研究では、そうした合従連衡の理由として、情報投資の負担軽減、不良債権処理のための体力増強、およびtoo-big-to-fail的な保護を期待することなどを指摘した。特に、最後の点については、金融コングロマリットの破綻を如何に防ぐのか、また、破綻が生じた場合には如何に対応すべきかという信用秩序上の問題に密接に関連する。ナローバンクような抜本的な解決策を採らなければ、こうした問題を解決することはできないというのが本研究の主張である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)