Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度の目標は,4次元多様体上の代数的サイクルの構成とゼータ関数・L-関数の計算であった。加えて,そこで得られた情報をもとに,特殊な多様体に対するBeilinson予想の検証も目指した。これらの目標の前半は達成することができ,後半のBeilinson予想についても部分的には検証ができ最低限の目的は達した。 具体的には,4次元Delsarte型多様体と,2つの荷重Delsarte型曲面の積により定義される4次元多様体を,有限体と数体上で考察した。まず,それらのゼータ関数とL-関数を計算し,それぞれの極の位数ならびに特殊値を数量的に求めた。そして,荷重Delsarte型K3曲面の因子(曲線)に対する前年度の研究結果を利用しつつ,4次元多様体の余次元2のサイクル(曲面)の具体的構成を行った。そこで得られたサイクルの情報から,余次元2のChow群に関係したアーベル群のランク等がわかる。そのランクとL-関数の極の位数とを比較することにより,Beilinson予想の中でL-関数の極の位数に関する部分についての検証を行った。一方,この予想に含まれるL-関数の特殊値に関する部分については完全な検証には至らなかったものの,数多くのデータを集めることができ,これからの研究につなげることができた。 なお,2001年7月にトロントのFields研究所で開かれた研究集会「Arithmetic, Geometry and Physics around Calabi-Yau Varieties and Mirror Symmetry」に参加し,Queen's大学のNoriko Yui教授と情報交換をし,多くの専門家たちと討論を行った。加えて,その研究集会において,「K3 surfaces over finite fields with symplectic group actions」という題目で研究発表も行った。そして,自分自身の論文とは別に,上記の情報交換に基づく論文2編をYui氏と共同で現在執筆中である。
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