Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
本研究における主たる目的は,結び目に対して定義される2つの多項式不変量であるHOMFLY多項式とKauffman多項式を特徴化として含む結び目の多項式不変量が存在するかということを調査・研究することであった。前年度の研究において,マグネティックグラフと呼ばれるあるタイプのグラフを考え,結び目をそのグラフの一種とみなし,グラフに対して多項式不変量を定義することによって,2つの多項式を統合できるという結果を得た。これは本研究の課題に対する1つの解答であった。これを受けて本年度は,同様の手法を用いることで別の新しい結び目の多項式不変量を構成することを研究課題とした。この目標の実現のため,国内外を問わず結び目理論の研究者と研究打合せをしたり,各地で開かれる研究集会等へ積極的に参加するとともに,インターネットや結び目関連の図書等を通じて最新の情報の収集にあたり、研究会に役立てた。その結果,考察の対象は前年度と同じマグネティックグラフであるが,多項式不変量の定義の仕方を変更することで,前年度に得た不変量とは別の新しい多項式不変量が構成できることを示せた。この研究成果については科学研究費からの助成によるトポロジープロジェクトの一環として,平成13年8月末に山形大学で開催された研究集会「東北結び目セミナー」において,報告済みである。今回得られた結果は前年度の研究結果と合わせて専門雑誌に発表すべく,現在,論文を準備中である。しかし,残念なことに,今回構成できた不変料は前述の2つの多項式,即ちHOMFLY多項式とKauffman多項式両方を統合するものではなかった。それゆえ,考察の対象となるグラフをマグネティックグラフ以外のものに変えて,同様の手法による多項式不変量の構成を試みたが,現在までに特筆すべき結果はえられなかった。これは今後の研究課題である。
|