反応拡散系に現れる螺旋進行波の出現機構に対する計算機支援解析
Project/Area Number |
12740062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 雅晴 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20314289)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 燃焼合成反応 / 燃焼合成モデル / 自己触媒反応モデル / 区分定数関数反応拡散方程式 / 脈動進行波 / 螺旋進行波 / 樟脳運動モデル |
Research Abstract |
燃焼合成反応は地球環境にやさしい材料合成法として,日本だけでなくアメリカやロシア等においても研究されている.燃焼合成は反応が開始されると生成される反応熱を利用して材料を合成する方法であるが,このとき実験の安全性を確保するために生成熱を抑えるような工夫が施されている.しかしながら,生成熱を抑えすぎると反応面が不安定化を起こし,均一な材料は合成されないことが知られている.我々は,反応面が不安定化する要因を数理的立場から明らかにすることを研究した.反応面の不安定化で見られる典型的現象は,反応面が螺旋状に伝播するものである.我々は燃焼合成反応の数理モデルを用いて,反応面の螺旋伝播について調べた.その結果燃焼合成に現れる螺旋伝播の発生機構の本質は伝播速度の振動化(1次元脈動進行波の存在)によることがわかった.この事実を示すために,燃焼合成モデル以外の脈動進行波を持つ反応拡散方程式系を調べた.その結果自己触媒反応を記述する反応拡散モデルや区分定数関数の反応拡散方程式系は脈動進行波をもつことがわかっり,それらの方程式において脈動進行波が出現したとき,円柱領域において螺旋進行波が出現することがわかった.これらの結果を論文雑誌に発表した. 次に螺旋進行波の出現を分岐理論的に解析することを考えた.区分定数関数反応拡散方程式について解析を行った結果,1次元進行波解を構成することができた.またあるパラメータを変化させたとき,Newton法を用いた数値計算結果から脈動進行波が存在する状況においても進行波解が存在することがわかった.この結果はパラメータを変化させると安定な進行波解がHopf分岐により不安定化し脈動進行波解が出現することを示唆している.進行波解の分岐現象を明らかにするための線形化解析は現在進行中である.
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)