Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
p進係数の特殊線型群のhomogeneous spaceであるp進上半平面において,特殊線型群の離散部分群の代数的構造と,上半平面をその離散部分群の作用で割った空間上の2乗可積分関数の空間の上の積分作用素の固有値を関係づける跡公式を示した p進上半平面上の,特殊線型群の作用で不変な距離と不変測度を求める一方,特殊線型群の離散部分群Γであって,対角行列に共役である元からなるものが与えられたとき,それに対応する上半平面の中の基本領域Fを構成した.Γの各元の中心化群の構造を表現し,また,中心化群に対応する基本領域を求めた.これらの結果を用いて,上半平面上の,値が2点間の距離のみに依存するkernel関数により定まるL^2(F)上のHilbert-Schmidt型作用素の跡を,Γの各元の中心化群の代数的構造から決まる特性量で表す公式を得た. 一方,上半平面上の特殊線型群の作用で不変なマルコフ過程を,可算集合上のマルコフ連鎖の極限として構成し,その遷移確率が上半平面の不変測度に対して,少なくとも出発点を除いて絶対連続であり,密度関数は始点と終点の間の距離の関数であることを導いた.比較的単純な場合には,密度関数を具体的に,あるいはラプラス変換の形で求めた.このマルコフ過程をΓにより射影して得られる基本領域F上のマルコフ過程の生成作用素とその固有値を決定し,また,このマルコフ過程に付随する作用素の半群を{T_t}とするとき,T_tがトレース族に入るための条件を求めた.この半群{T_t}に上述の跡公式を応用することにより,特殊線型群の離散部分群Γに対する素数定理や,Γのユニタリ表現から定義されるゼータ関数の解析を,確率過程を用いて示すことが期待できる.
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