可換*半群上の正・負定値関数の積分表示問題に関する研究
Project/Area Number |
12740083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
榊原 暢久 茨城大学, 工学部, 講師 (30235139)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 完全 / モーメント / 正定値関数 / 積分表示 / 可換*半群 |
Research Abstract |
可換*半群上の正定値関数(完全正定値関数)が,指標半群(正の指標半群)上のある種の測度で一意的に積分表示できるような可換*半群を完全(Stieltjes完全)であるという.完全性とStieltjes完全性が同値な性質であるか,という問題はこの研究が始まって以来の問題であった.可換*半群が単位元をもつ場合,完全性からStieltjes完全性が導かれることは多少の考察によって知られていたが,今回の研究助成を受けてデンマークのT.M.Bisgaard博士と共同研究を行ったことにより,可換*半群が単位元をもつ場合には,完全性とStieltjes完全性がまったく同値な性質であることが示された.また,可換*半群が単位元をもたない場合には,Stieltjes完全性から完全性が導かれるのみで,逆は必ずしも言えず,完全性にStieltjes flatnessという性質を追加してはじめてStiltjes完全性と同値になることも示した.これが成果として発表予定の論文の主定理である. この主定理からいくつか系を示すことが出来たが,それらを使って今まで知られていた完全性の十分条件を拡張することも出来た.報告者は以前に,Qの可算無限個からなる直積半群の中のconelike *部分半群が完全になることを示した.ここではconelikeの概念をさらに広げ,G-conelike(GはQの稠密な部分群)という概念を考え,有理線形空間の中のG-conelikeな可換*半群が完全になることを示した.また,Bisgaard博士の以前の結果として,*-divisibleという概念が完全性の十分条件であることが知られていたが,この概念をsemi-*-divisibleという概念に拡張し,これが完全性の十分条件であることも示した. これらの成果をまとめ,Arkiv for Matematikに投稿中である.また,日本数学会秋季総合分科会・実解析学シンポジウム・関数空間セミナー,さらにはカナダで開かれた国際研究集会で報告した.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)