Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
対称空間上の球フーリェ変換,およびそれを拡張した積分変換に対する不確定性原理について研究を行った. Heckman-Opdam変換に対して,フーリェ解析におけるハーディの定理の類似を与える結果を得て,論文として発表した.Heckman-Opdam変換とは,リーマン対称空間上の球フーリェ変換を特別なパラメータの場合として含む,ルート系に付随した積分変換である.得られた結果は,関数とそのHeckman-Opdam変換がともに「小さい」と,その関数はゼロであるという形で与えられる. リーマン対称空間上の球フーリェ変換に対して,ハーディの定理の定式化を行い,得られた結果を論文として発表した.対称空間上の熱核を関数の増大度の評価に用いるという新しい見方をすることにより,実軸上のハーディの定理のよい類似を与えることに成功した.結果は,(1)関数とその球フーリェ変換がともに「小さい」と,その関数はゼロである,(2)関数の増大度が熱核と同等で,球フーリェ変換したものの増大度が熱核の球フーリェ変換と同等ならば,その関数は熱核の定数倍である,(3)条件を(2)よりも弱めると,そのような関数は無限に存在する,という形で与えられる.また,応用として,対称空間上のフーリエ変換に対しても,同様の結果を導いた. 研究成果は「実解析学サマーセミナー(2001年8月1日)」において研究発表を行った. リーマン対称空間上の球フーリェ変換に対して得た結果と同様のことは,Heckman-Opdam変換に対しても成立すると予想される.これは今後の研究課題である.
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