Project/Area Number |
12740245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷口 貴志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60293669)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 電気粘性流体 / 電気粘性効果 / マクスウェル応力 / 二成分誘電性液体 / スリップ現象 |
Research Abstract |
高分子混合系メルトや高分子ブロック共重合体メルトに電場を印加すると、ある場合には系内部のメソ構造やマクロなドメイン構造が変化し、その系全体としての粘度が著しく変化する現象や電場由来の新たな自己組織化構造が出現することが知られている。このような物質は機能性流体としてアクティブバンパーやシリンダ状ドメイン構造応用したナノスケールのワイヤーなど様々なデバイスへの応用が期待されている。本研究では、そのような応用への基礎となる「電場下での二成分電気粘性流体のレオロジー特性に関する理論とシミュレーションによる研究」を行なっている。 今年度は、前年度の誘電性液滴が多数分散した系液滴が多数分散した系の研究に加えて、高分子ブロック共重合体メルトに電場を印加した際に自己組織的に形成される平衡溝造の研究を中心に行なった。高分子の自己組織化構造を計算する方法として、近年盛んに研究が進められている自己無撞着場理論を用いた計算手法を、電場の効果が考慮できるように拡張した。また、実際の系では電極付近の高分子の塗れ性が構造制御に影響を及ぼすという観点から、電極に対する高分子の塗れ性を考慮した。電極間に充填された高分子ブロック共重合体メルトの平衡構造の相図を電極に対する高分子の塗れ性の大きさ、印加する電場強度、電極間の距離の関数として数値計算により求めた。高分子同士が強く相分離している極限(Strong Segregation Limit)での相図は解析的に既に求められており、我々の計算により得られた相図は解析的に求めれた相図とよく一致することを確かめた。得られた相図の様子を定性的に述べると以下のようになる。塗れ性が強い場合には、壁面に平行なラメラ相(L^<||>相)が、徐々に電場強度を増していくと壁面に垂直なドメインがパルク領域に形成され、ミックス相(L^M相)が出現する。更に電場強度が大きくなると全ての領域で壁面に垂直なラメラ相(L^⊥相)となる。電場による配向の制御はせん断印加のそれよりも局所的に制御可能であり、数値計算の結果から電場を用いれば、準安定領域に留まること無しに配向の制御された構造が得られことが分かった。
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