しもざらめ雪の形成に伴う積雪の安定同位体分別に関する研究
Project/Area Number |
12740267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
八久保 晶弘 北見工業大学, 工学部, 助教授 (50312450)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 積雪 / しもざらめ雪 / 安定同位体 / 水蒸気輸送 |
Research Abstract |
積雪中に鉛直方向の温度勾配がかかるとしもざらめ雪が形成される。これに伴い、積雪中の酸素・水素の両安定同位体比プロファイルが変化する。これを定量的に明らかにすることを目的として、低温室内における以下の実験的研究が行なわれた。 予備実験からは、温度勾配をかけた積雪試料の高温側はδ値が増加し、低温側では減少することが分かった。さらに、重力による対流の効果や、動的同位体効果による安定同位体分別の昇華速度依存性の存在などが示唆された。以上の成果をさらに様々な条件下(温度・温度勾配・積雪密度・雪質・粒径など)で行なうために、より精密な環境コントロールを行ない、安定同位体分別の温度・積雪密度依存性を明らかにすることが課題となった。 そこで、新圧雪氷防災研究支所雪氷防災実験棟のしもざらめ雪生成装置を利用することにより、積雪サンプルの安定同位体変化を定量的に求め、積雪内水蒸気輸送の平均輸送距離とその温度・積雪密度依存性を明らかにすることを目的として室内実験を行なった。質量分析計による水素同位体サンプルの測定結果からは、温度勾配をかけた積雪試料の同位体プロファイルに有意な変化がみられ、波長6-8cm程度の波状分布が確認された。このことは、従来の文献で知られている積雪密度プロファイルの波状構造に対応すると予想されたが、今回の実験結果では確認できなかった。一方で、雪面の昇華蒸発実験が数日間かけて行なわれ、積雪表層の数cm深まで水素同位体プロファイルが変化し(最大で10‰以上)、変化量は深さ方向に指数関数的に減少した。また、より高温あるいは風のある環境下でその変化量は大きくなる傾向が見られた。 本実験では積雪密度の異なる積雪試料の作成が困難だったため、残念ながら積雪内水蒸気輸送の積雪密度依存性については確認することができず、将来の研究課題として残された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)