Project/Area Number |
12740280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
浅村 和史 宇宙科学研究所, 太陽系プラズマ研究系, 助手 (50321568)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 高速中性粒子 / 人工飛翔体 / 計測器 / 撮像 / 磁気圏 / 表面 |
Research Abstract |
水星には弱い固有磁場しか存在しない。また、水星周辺には極めて希薄な大気しか存在しないために、太陽風プラズマ粒子や磁気圏プラズマ粒子が直接惑星表面にまで到達できると考えられる。これらの降り込み粒子によって表面を構成する粒子の一部が放出(スパッタリング)され、高速中性粒子となる。したがって、水星周回衛星によって高速中性粒子を観測することは惑星表面組成や外圏生成メカニズムの情報を得るだけでなく、磁気圏プラズマの大規模構造の時間・空間的変化を研究することにもつながる。 高速中性粒子を計測する上で問題となるのは、荷電粒子除去、紫外線除去、中性粒子の電離、およびエネルギー/質量分析である。本年度はこのような要素技術を実現できるような観測器の形状のデザインを行った。紫外線除去部については、接地した二枚の平行平板の中に電位を与えた導電性メッシュを置くことで、電離させた高速中性粒子の軌道が波状になるようにし、高い紫外線除去性能が期待される構造とした。この構造では、ラフではあるが入射粒子のエネルギー分析が可能であり、後段の質量分析部における質量分解能を高めることに大きく貢献している。また、質量分析は永久磁石で行うが、その際に質量分析部に入射する粒子のエネルギーをできるだけ一定に近づけることが好ましい。そのため、高速中性粒子電離部の電位を変化させ、計測器のもつエネルギーレンジよりも狭いエネルギー幅で質量分析部に入射させることができるようにする。一方観測器の入射口は360度の視野を持つように設計し(トップハット型)、上記の工夫と併せ、高い感度を持つ観測器とした。 今後観測器の試験モデルを用いて紫外線除去性能、電離性能などについて実験的に確認するとともに、さらなる高感度化を追求する。
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