Project/Area Number |
12740290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村越 直美 信州大学, 理学部, 助手 (80270966)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 凝集作用 / 沈降実験 / フロック / 塩分 / 流体エネルギー / 温度 / 懸濁濃度 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究はフロックの形成プロセスに注目し,波や流れのエネルギー(e)と流体の温度(t)・流体中の懸濁物濃度(c)・塩分(s)の4つを環境要因にみたてて沈降実験とその解析を行った.流体中の細粒粒子の挙動において,粒子が個々の単体として振る舞うのか否かは堆積物の形成過程において非常に重要である.実験に使用したカオリンの粒度分析(Coulter Counter LS230を使用)の結果,平均粒径は1.2μm(clay).このサイズの単独粒子の15℃での水中沈降速度はStorksの式によると0.0011mm/sとなる.ビデオ画像によるカオリンフロックの最大沈降速度は1.58mm/sであったので,およそ1500倍の沈降速度に達したことになり,これは0.045mmの粗粒シルトの沈降速度に相当する.フロキュレーションによってある程度の流れや波が作用する流体エネルギー場においても粘土が堆積可能になることを示している. 各沈降実験から形成するフロック径(d)は,温度・懸濁物濃度・塩分にほぼ比例(d=f(t,c,s,))し,流体のエネルギーに対しては極値(最大値)をとる関数(d=f(e^2,e))で近似できる.これまで流体エネルギーによってフロックサイズが大きくなる(Krank,1973)現象や流体のエネルギーと懸濁濃度によってフロックサイズが小さくななる現象が報告されているが(Manning & Dyer,1999),フロックの生長から破壊を一連の実験で追跡できたのは初めてである. フロックサイズと沈降速度との関係から,沈降速度(v)はフロック径の1.5〜2乗に比例することが判った.水温・塩分濃度が高い方がべき数が小さくなる傾向にある.粒径の2乗に比例するStorksの法則からはずれるのは,フロックの形状に由来する摩擦や分子運動などが原因と考えられる.濁濃濃度が高いほど沈降速度が低くなる傾向があるが,顕著なべき乗則はみられなかった. 堆積物の組織のSEM画像を使用した画像処理によって相対間隙率を求めた.画像処理にはPhotoshop5.0を使用した.茨城県北浦村で採取した粗粒リップルを覆う粘土層のファブリックから求めた間隙率と,カオリンの塩分30‰・流体エネルギー200での沈降実験で得られた堆積物の間隙率が最も近い値を示し,堆積物ファブリックからの堆積環境推定の可能性が示唆される.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)