Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
マントル内物質循環モデルにおいて現在最も大きな問題は,海洋プレートの沈み込み深度と,それが地表にリサイクルする際のマントルプルームの発生深度である。それには,オスミウム同位体比が有効である。本研究は,レニウム-オスミウム(Re-Os),白金-オスミウム(Pt-Os)放射壊変系を用いて沈み込む海洋プレートの行き先とマントルプルームを通じた地表へのリサイクルを明確にとらえようとする試みである。本研究の目的達成のためには分析法についてクリアしなければならない問題が存在する。特に重要な課題として,(1)^<186>Os/^<188>Os比を,0.05%という超高精度で測定すること,及び,(2)極微量オスミウムを回収率よく分離する方法を開発することが挙げられる。前者については,負イオン表面電離型質量分析法によって,外部精度0.0012%という非常に高い繰り返し再現性を達成することに成功した。後者の課題については,Fire assay法と四塩化炭素抽出等を組み合わせることにより,数pptから数百pptというごく低濃度のオスミウムを岩石試料から分離することに成功した。白金族元素を比較的多く含んだ硫化物鉱物からなる標準岩石SARM7についてその分析法を適用したところ,chondirite隕石より高い^<186>Os/^<188>Os比が得られた。これは,SARM7のPt/Os比が高く,^<190>Ptから壊変した^<186>Osが蓄積したためと考えられる。すなわち,原岩のPt/Os比の変動を検出できることを示した結果であり,本研究の目的の海洋島玄武岩への応用に大きく近づいたものである。分析がことのほか難しく,方法の確立に時間がかかってしまったが,いよいよ玄武岩への応用に入るところである。
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